ブドウ「シャインマスカット」の高精度な全ゲノム解読に成功

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さらにおいしくて作りやすいブドウの品種改良を加速

2019-08-22 かずさDNA研究所

かずさDNA研究所と農研機構果樹茶業研究部門は共同で、ブドウ「シャインマスカット」の全ゲノム解析を行い、ワイン用欧州ブドウとのゲノム構造を比較しました。

「シャインマスカット」は農研機構が開発した黄緑色でマスカット香を有する良食味の生食用欧米雑種ブドウです。これまで、ワイン用欧州ブドウではゲノム解読がされていましたが、生食用欧米雑種ブドウでは全ゲノム配列が明らかになっていませんでした。

「シャインマスカット」の全ゲノム配列が染色体レベルで明らかになったことで、生食用欧米雑種ブドウの果実品質や病気に対する抵抗性など、より良い品種をつくるための重要な遺伝子に関わる研究を一層進めることができます。

今回、全ゲノムの 99.4%にあたる 490.1Mb の配列を解読しました。

研究成果は、BioRχiv において8月19日(水)にオンライン公開されました。

論文タイトル:De novo whole-genome assembly in interspecific hybrid table grape, ‘Shine Muscat’.
著者:Kenta Shirasawa, Akifumi Azuma, Fumiya Taniguchi, Toshiya Yamamoto, Akihiko Sato, Hideki Hirakawa, Sachiko Isobe.
掲載誌:BioRχiv
DOI:10.1101/730762

ブドウ「シャインマスカット」の高精度な全ゲノム解読に成功
写真:ブドウ「シャインマスカット」果房


図 1:「シャインマスカット」の推定ゲノムサイズ(492.95 Mb)に対する解読されたゲノム配列 の割合


図 2:「シャインマスカット」全ゲノム配列の特性により、両親それぞれから異なるタイプの遺伝 子を受け継いでいることが示唆された(17mer による kmer 頻度分布解析)。


図 3:ワイン用欧州ブドウ「PN40024(「ピノ・ノワール」に由来する系統)」のゲノム配列(X12) と「シャインマスカット」のゲノム配列の並びの比較。赤丸はゲノム構造が異なると推定された 領域。特に染色体 6, 7, 8, 10, 12, 18, 19 番で、「シャインマスカット」は「PN40024」に対し てゲノム配列が重複している領域があると考えられる。

 

1202農芸化学
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