フッ化物イオン導電性固体電解質のイオン伝導メカニズムを解明

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リチウムイオン電池の性能を凌駕する革新型蓄電池の創生を目指して

2020-03-17   京都大学

 森一広 複合原子力科学研究所准教授、福永俊晴 名誉教授(産官学連携本部特任教授)、藤﨑布美佳 産官学連携本部特定助教、安部武志 工学研究科教授、嶺重温 兵庫県立大学准教授、高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所、総合科学研究機構らの研究グループは、フッ化物イオン導電性固体電解質Ba0.6La0.4F2.4のイオン伝導メカニズムを原子レベルで解明しました。

 革新型蓄電池(ポスト・リチウムイオン電池)の開発競争をリードする上で、固体フッ化物シャトル電池で使用するフッ化物イオン導電性固体電解質は、今後の蓄電池開発において重要なキーマテリアルとなります。

 蛍石型構造をもつフッ化バリウム(BaF2)は、電池性能において重要な高電圧下での利用が期待されますが、その反面、イオン伝導率が低い物質です。これにバリウム(Ba)の一部をランタン(La)で置換することでイオン伝導率が劇的に向上することが知られていましたが、本系のフッ化物イオン(F)の分布やその伝導メカニズムは不明のままでした。

 本研究では、最新鋭の蓄電池研究用中性子回折装置を利用し、Ba0.6La0.4F2.4固体電解質の原子位置や核密度分布(散乱長密度分布)を精密に決定しました。その結果、フッ化物イオン伝導経路の可視化に成功し、準格子間拡散をベースとする拡散機構によってFが伝導経路内を移動することを明らかにしました。

 本系のイオン伝導メカニズムの解明によって、フッ化物イオン伝導体のイオンの流れに関する理解をより深めることができると考えられます。さらに、本研究成果が、革新型蓄電池の最有力候補の1つであるフッ化物シャトル電池の材料開発に大きく貢献することも期待されます。

 本研究成果は、2020年3月13日に、国際学術誌「ACS Applied Energy Materials」のオンライン版に掲載されました。

図:本研究のイメージ図

書誌情報

【DOI】 https://doi.org/10.1021/acsaem.9b02494

Kazuhiro Mori, Atsushi Mineshige, Takashi Saito, Maiko Sugiura, Yoshihisa Ishikawa, Fumika Fujisaki, Kaoru Namba, Takashi Kamiyama, Toshiya Otomo, Takeshi Abe and Toshiharu Fukunaga (2020). Experimental Visualization of Interstitialcy Diffusion Pathways in Fast-Fluoride-Ion-Conducting Solid Electrolyte Ba0.6La0.4F2.4. ACS Applied Energy Materials.

詳しい研究内容について
フッ化物イオン導電性固体電解質のイオン伝導メカニズムを解明

— リチウムイオン電池の性能を凌駕する革新型蓄電池の創生を目指して —

概要

 革新型蓄電池(ポスト・リチウムイオン電池)の開発競争をリードする上で、固体フッ化物シャトル電池注 1)で使用するフッ化物イオン導電性固体電解質は、今後の蓄電池開発において重要なキーマテリアルとなります。

 京都大学複合原子力科学研究所 森一広 准教授、同産官学連携本部 福永俊晴 特任教授( 京都大学名誉教授)、藤﨑布美佳 同特定助教、同工学研究科 安部武志 教授と兵庫県立大学 嶺重温 准教授ら、高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所、総合科学研究機構との共同研究グループは、フッ化物イオン導電性固体電解質 Ba0.6La0.4F2.4 のイオン伝導メカニズムを原子レベルで解明しました。

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