安全な蓄電池の鍵は表面にあり

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2019/3/11 アメリカ合衆国・テキサス大学ダラス校(UT Dallas)

(Researchers Discover the Key to Safer Batteries Lies on the Surface)

・ UT Dallas が、ニッケル酸リチウムカソードを使用するリチウムイオン蓄電池において、発火や爆発の危険性を高める熱暴走の原因がカソード内部でなくその表面にあることを特定し、解決策を提案。

・ 充放電サイクルを繰り返すリチウムイオン蓄電池内部では、カソードの表面から酸素ガスと共に放出されるニッケル微粉がリチウムイオンの移動を遮る。これにより、リチウムイオンの移動が滞って電池容量が急激に減少。充放電中に放出されたエネルギーによる加熱量が増加し、発火や爆発の危険性が高まる。

・ 同大学は、この問題の対処法としてカソード表面を保護する酸化物コーティングの使用を提案。次世代リチウムイオン蓄電池開発において産業界が解決策を探る、充電電力の長期間の維持を実現する可能性が期待できる。また、蓄電池の熱の問題を解決することで、20~30%の容量増加も可能と考える。

・ 同コーティング剤で処理したカソード材料の数年以内の商品化を見込む。現在、数企業が EV 用蓄電池の次世代カソード材料について同大学との共同開発に興味を示している。

・ 同大学はまた、米国海軍研究所(NRL)と共同で、カソード材料の容量と安全性の向上を目指すフォローアップリサーチプロジェクトを実施中。

・ 本研究は、主に韓国政府および韓国企業の L&F Co.が支援した。

URL: https://www.utdallas.edu/news/research/ut-dallas-researchers-discover-key-tostabilizing-high-capacity-batteries/?WT.mc_id=NewsHomePageCenterColumn

(関連情報)

Advanced Energy Materials 掲載論文(アブストラクトのみ:全文は有料)

Kinetic Stability of Bulk LiNiO2 and Surface Degradation by Oxygen Evolution in LiNiO2‐Based Cathode Materials

URL: https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/aenm.201802586

<NEDO海外技術情報より>

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