NIST 研究者らがナノワイヤ LED の発光光度を引き上げる

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2019/3/21 アメリカ合衆国・国立標準技術研究所 (NIST)

 (NIST Researchers Boost Intensity of Nanowire LEDs)

・ NIST が、ナノワイヤベースの深紫外(UV)LED の発光光度を 5 倍増させる特殊なシェルを開発。
・ UV LED は樹脂の硬化や殺菌等、多様なアプリケーションで利用され、ナノワイヤベースのマイクロ LED はディスプレイでの利用が期待されている。NIST では、電子・生物学アプリケーションに向けた走査型プローブの先端に使用するナノワイヤベースの LED について研究を進めている。
・ 新 UV LED は、シリコンをドープした GaN 製のナノワイヤコアと、それを囲むマグネシウムでドープした GaN 製のシェルより構成。同ナノワイヤでは余剰な電子を、同シェルでは余剰な正孔をそれぞれ保持し、電子と正孔の再結合でエネルギーが光として放出される。
・ 前回の研究では、GaN LED のシェル層に電子を注入して正孔との再結合による発光を実証したが、今回はシェル層に微量のアルミニウムを添加することで、電子のオーバーフローや光の再吸収を原因とするエネルギーの消失を低減させた。
・ 同 UV LED は、電子と正孔をナノワイヤに注入する 3 層の「p-i-n」構造のナノワイヤを用いて作製。シェルにアルミニウムを微量添加することで、ナノワイコアへの電子の閉じ込めを促進し、電界発光強度を 5 倍増した。
・ 添加したアルミニウムは、電流に非対称性を加えて、効率を低下させるシェル層への電子の流出を防止し、ナノワイヤコアに電子と正孔を閉じ込める役割を担う。
・ 同ナノワイヤの長さは約 440nm で、シェルの厚みは約 40nm。シェルを含む LED 全体は約 10 倍のサイズ。LED に添加するアルミニウムの量はナノワイヤの直径によって変わることを発見した。
・ NIST は、ナノワイヤベースのマイクロ LED を開発中の企業との、ドーパントと構造特定手法の開発に関する共同研究開発契約(Cooperative Research and Development Agreement: CRADA)を締結している。プローブ先端で NIST 製の LED 使用することに関して走査プローブ製造企業との予備協議を終え、プロトタイプの実証を予定している。
・ NIST は、トランジスターチャネルや太陽電池の結晶粒子等の半導体ナノ構造品質の非破壊・非接触試験用の、マイクロ波走査プローブ顕微鏡と LED を組合せた機器に関する特許を有する(U.S. Patent 8,484,756)。同プローブははまた、タンパク質のアンフォールディングや細胞構造等の生物研究分野にも利用できる。
URL: https://www.nist.gov/news-events/news/2019/03/nist-researchers-boost-intensitynanowire-leds

(関連情報)
Nanotechnology 掲載論文(アブストラクトのみ:全文は有料)
UV LEDs based on p–i–n core–shell AlGaN/GaN nanowire heterostructures grown by N-polar selective area epitaxy
URL: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30776789

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