採集例の少ないゾウムシ・シロオビクチカクシゾウムシを西表島から初記録 ― リュウキュウガキの枯死木を利用する成虫の生態と 八重山諸島での分布記録に新知見 ―

2026-10-28 琉球大学

琉球大学、東京農業大学、九州大学などの研究グループは、採集例が少ないゾウムシの一種「シロオビクチカクシゾウムシ(Cyamobolus sturmii)」を、西表島から初めて記録した。本種は日本国内ではこれまで石垣島からのみ知られており、分布や生態に関する情報が限られていた。研究チームは、西表島で2024年に採集された標本を形態的特徴などから同定し、石垣島で過去に採集された標本や文献記録も再検討した。その結果、本種の国内分布が西表島にも及ぶことが確認された。また、石垣島では2021年に成虫15個体がリュウキュウガキの枯死木にある穴の内部から発見され、成虫が穴に入る様子も観察された。これらの発見から、枯死木の穴が成虫の休息場所などとして利用されている可能性や、リュウキュウガキが寄主植物である可能性が示された。ただし、幼虫の発育や羽化は確認されておらず、寄主植物と断定するには追加調査が必要である。本研究は、標本や地域別データベースの情報を再検討することで、昆虫の分布と自然史に関する知識を更新できることを示した。

採集例の少ないゾウムシ・シロオビクチカクシゾウムシを西表島から初記録 ― リュウキュウガキの枯死木を利用する成虫の生態と 八重山諸島での分布記録に新知見 ―
図1. 上:西表島産シロオビクチカクシゾウムシの成虫(撮影:保坂恭吾)。
下:石垣島で観察された、リュウキュウガキの枯死木中のシロオビクチカクシゾウムシ成虫(撮影:小島弘昭)。

<関連情報>

日本の南西部、八重山諸島から採集されることの少ないゾウムシCyamobolus sturmii Boheman, 1837 (鞘翅目、ゾウムシ科、モリーティナエ亜科)の標本に基づく記録、西表島からの初記録、および成虫の微生息地に関する考察 Specimen-based records of the rarely collected weevil Cyamobolus sturmii Boheman, 1837 (Coleoptera, Curculionidae, Molytinae) from the Yaeyama Islands, southwestern Japan, with the first record from Iriomote Island and notes on adult microhabitat

Kyôgo Hosaka, Nakatada Wachi, Kosei Hirai, Shu Arai, Hiroaki Kojima
Check List Published: 16 Oct 2026
DOI:https://doi.org/10.15560/22.5.1009

Abstract

We report recent specimen-based records of the rarely collected weevil Cyamobolus sturmii Boheman, 1837 from Ishigaki Island, together with the first record from Iriomote Island, in the Yaeyama Islands, southwestern Japan. Adults were found during the daytime inside presumed emergence holes in dead wood of Diospyros maritima Blume on Ishigaki Island, providing new information on adult microhabitat. These records update the known distribution of C. sturmii in Japan and illustrate the value of documenting specimen-based occurrence data for species poorly represented in public biodiversity databases.

1903自然環境保全
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