赤ワインが次世代ウェアラブル技術の鍵を握る

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2019/7/11 英国・マンチェスター大学

(Red wine may hold the key to next-gen wearable technology)

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・ マンチェスター大学が、赤ワイン、コーヒーや紅茶などに含まれるタンニン酸を抽出し、繊維に添加して、耐久性と柔軟性に優れたウェアラブルデバイス用の繊維を開発。ウェアラブルデバイスの寿命を飛躍的に向上させ、同技術の起爆剤として期待される。

・ ウェアラブル技術では構造的特性上、デバイスの柔軟性が重要な役割を果たしている。研究チームは、従来の媒染剤であるタンニン酸が保有する柔軟性と強靭性に着目し、様々な柔軟基質に付着させて、触媒吸収とその後の無電解蒸着(ELD)のためのプラットフォームを提供。綿などの材料の機能性を高め、リハビリモニタリング使用のウェアラブルセンサーのデバイス寿命を大幅に向上させた。

・ 研究チームでは、センサーの耐久性を向上させ、静電容量式呼吸センサーや人工手などのウェアラブルデバイスを開発。ウェアラブルデバイスは、折り曲げを繰り返すと、金属コーティング層に形成される多数の微小亀裂が導電性の低下を引き起こし、同技術の課題となっていた。新技術ではこの点を改善することで、柔軟性の高いヒューマンマシンインターフェース(HMI)の開発に取り組んだ。

・ 従来の導電材料は繊維との接着力が弱く、導電性の低下がみられたが、タンニン酸を添加すると、繊維表面で材料が強靭に繊維に吸着。この吸着力が、導電性ウェアラブルデバイスに必要な柔軟で耐久性のある繊維生成を導いた。

・ 本研究は、材料にタンニン酸層を添加しなかった場合、繊維の折り曲げによる導電性コーティングの分離が発生しやすく、材料サンプルの導電性は数百倍から数千倍劣化したという実証例も紹介。本研究では、市販のタンニン酸を使用の他、赤ワイン、コーヒーや紅茶の溶液にも生地を直接浸して検証し、同様の結果を得た。

・ 新手法により、ウェアラブル技術の価格低減と、快適性や堅牢性の向上が見込まれる。また、天然素材を使用した導電性の向上は、例えばナイロンよりも着心地の良い綿を使用するなど、より快適な素材の探求が期待される。さらに、回路を生地表面に直接プリントできるので、快適でフレキシブルな回路基板が形成可能。タンニン酸の強力な吸着作用により、導電性コーティングの表面は耐久性がよく、曲げ、畳み、引き延ばしを繰り返しても、素晴らしい機能性が保たれる。

URL: https://www.manchester.ac.uk/discover/news/red-wine-may-hold-the-key-to-next-genwearable-technology/

(関連情報)

Small 掲載論文(アブストラクトのみ:全文は有料)

A Nature‐Inspired, Flexible Substrate Strategy for Future Wearable Electronics

URL: https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/smll.201902440

<NEDO海外技術情報より>

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