2019/7/19 スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL) (ローザンヌ工科大学)
(Next-gen membranes for carbon capture)
・ EPFL が、従来のものに比べてより多量の CO2 を捕獲する、グラフェンの単層を使用した新タイプの高性能メンブレンを開発。
・ 燃焼排ガスから CO2 を化学的に回収して大気中への排出を回避するカーボン・キャプチャー(炭素捕獲)で収集した CO2 は、リサイクル処理や、ガス・液体の状態で貯蔵・隔離される。
・ CO2 捕獲には、工場の排管等から排出する混合ガス中の CO2 を拾い上げるポリマー製のフィルターである高性能メンブレンが使用される。このようなメンブレンは環境に優しく、ゴミを排出せず化学処理プロセスを増強して分散的利用が可能。CO2 排出量を低減する最もエネルギー効率的な一手段とされている。
・ 新高性能メンブレンでは、燃焼排ガスからの捕獲目標を大幅に上回る量の CO2 を捕獲できる。 20nm の薄さの選択層を有する単層のグラフェンをベースとし、捕獲対象の化学物質の高度な調整が可能。
・ 現行のメンブレンでは、1000GPU を超える透過速度と 20 を上回る CO2/N2 分離係数が必要とされるが、新メンブレンはその約 6 倍高い 6,180GPU と 22.5 の分離係数を提供。グラフェンの気孔率、気孔サイズと官能基(CO2 と反応する化学基)の最適化により、11,790GPU まで向上する。別途作製したメンブレンで、57.2 の分離係数を示した。
・ 2D 材料を使用した新メンブレンは、CO2 の透過を飛躍的に向上させて炭素捕獲での有用性を高める。同メンブレンのコンセプトは汎用的であるため、多様な高性能ガス分離手法が可能となる。
URL: https://actu.epfl.ch/news/next-gen-membranes-for-carbon-capture/
(関連情報)
Energy & Environmental Science 掲載論文(フルテキスト)
High-permeance polymer-functionalized single-layer graphene membranes that surpass the postcombustion carbon capture target
URL: http://dx.doi.org/10.1039/c9ee01238a
<NEDO海外技術情報より>