インドネシアで電動モビリティー向け電池シェアリングシステムの実証研究を開始

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システムの構築と事業モデルの確立を通じ、電動モビリティーの普及を後押し

2019-08-28 新エネルギー・産業技術総合開発機構

NEDOの助成事業において、本田技研工業(株)とパナソニック(株)、パシフィックコンサルタンツ(株)、PT.HPP Energy Indonesiaは、インドネシアでの電動モビリティー向けバッテリーシェアリングシステムの実証研究を開始しました。

本実証研究では、電動二輪車から着脱・持ち運び可能なバッテリーをユーザー間でシェアすることによる充電時間の短縮効果や、ICTを活用したバッテリー稼働状況の集中管理を含めたシステム全体の有効性を検証します。実証で得られた結果をもとに、本システムを用いたビジネスモデルの確立を図り、インドネシアでの電動モビリティーの普及とともに環境負荷低減を目指します。

また、実証研究の開始にあわせて、本日、インドネシア工業省において、現地政府やNEDO、助成先企業の関係者らが出席し、運転開始式を開催しました。

実証研究のイメージ

図1 実証研究のイメージ

1.概要

インドネシア政府は、2025年までに1次エネルギー源における石油の割合を現在の49%から22%以下に低減させる目標を掲げています。また、同国の二輪車・四輪車保有台数は東南アジア第1位で、自動車向け燃料費補助金による財政圧迫と大気汚染の進行を理由に、自動車の石油燃料消費量削減への関心が高く、2025年に電動二輪車210万台、電気自動車(EV)2200台の生産を目指しています。

しかしながら、それら電動モビリティーの普及には長い充電時間を短縮することが課題であることに加え、使用後のバッテリーの再利用まで見据えた取り組みが必要です。現在、同国での二輪車・四輪車市場において、日本メーカーが主流を占めていることから、日本が同国において果たすべき役割は大きいと言えます。

このような背景の下、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、インドネシアでの電動モビリティー普及の課題解決を目的としたバッテリーシェアリングシステムの実証事業※1を立ち上げ、分散型エネルギー資源としての可搬型蓄電池シェアリング実証研究の実施について、インドネシア工業省と基本協定書(MOU)を締結しました。あわせて、NEDOが助成先として選定した本田技研工業株式会社、パナソニック株式会社、パシフィックコンサルタンツ株式会社、PT.HPP Energy Indonesiaの4社と、インドネシアにおける協力会社であるPT Astra Otoparts Tbk※2が、本実証研究を共同で実施することで合意し、協定付属書(ID)を締結しました。

そして、本田技研工業(株)とパナソニック(株)、パシフィックコンサルタンツ(株)、PT.HPP Energy Indonesiaは、インドネシアで電動モビリティー向けバッテリーシェアリングシステムを構築し、今般、本システムの実証研究を開始しました。

本実証研究では、電動二輪車から着脱・持ち運び可能なバッテリーをユーザー間でシェアすることによる充電時間の短縮効果や、ICTを活用したバッテリー稼働状況の集中管理を含めたシステム全体の有効性を検証します。実証で得られた結果をもとに、本システムを用いたビジネスモデルの確立を図り、インドネシアでの電動モビリティーの普及とともに環境負荷低減を目指します。

また、実証研究の開始にあわせて、本日、インドネシア工業省において、現地政府やNEDO、助成先企業の関係者らが出席し、運転開始式を開催しました。

2.実証研究の内容

電動モビリティーの弱点である充電時間の問題を根本的に改善するため、可搬型蓄電池シェアリングシステム(着脱・持ち運び可能なバッテリーを電動バイクから切り離してユーザー間でシェアする方式)を採用します。また、バッテリー稼働状況の集中管理を行い、交換バッテリー配置の最適化を含めたシステム全体の有効性を検証します。実証期間は、2019年8月から2021年2月までを予定しています。

具体的には、バンドン市とデンパサール市に設置した充電ステーションで、電動バイクユーザーがスマートフォンアプリなどを通じてバッテリーをシェアする方式を導入します。電動バイクの使用頻度が異なるユーザー間でのバッテリーシェアリングにより、バッテリーの劣化度合いの平準化が図られ、長寿命化も期待できます。

また、西ジャワ州西バンドン県タングシジャヤ村では、バッテリー単体の二次利用サービスに関する実証も行う予定です。小規模水力発電を主要電源とする一般家庭に、電動バイクでの使用済みバッテリーと充放電器を設置し、夜間には水力発電設備から得られる電力をバッテリーに蓄電して、電力需要ピーク時には補助電源として活用することで、電動二輪車での用途を終えたバッテリーの、電力分野での二次利用の有効性を検証します。

実証研究で使用する機器

実証研究で使用する機器

実証研究で使用する機器

図2 実証研究で使用する機器

(左上:バッテリーパック、右上:バッテリー充電ステーション、下:電動二輪車「PCX electric」(NEDO助成対象外))

【注釈】
※1 実証事業
事業名:エネルギー消費の効率化等に資する我が国技術の国際実証事業/分散型エネルギー資源としての可搬型蓄電池シェアリング実証研究(インドネシア共和国)

実施期間:2019年8月~2021年2月

※2 PT Astra Otoparts Tbk
二輪・四輪車の部品販売、修理を手がける現地企業です。
3.問い合わせ先
(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO スマートコミュニティ部 担当:小野、藤田、松井、鈴木 

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:佐藤、坂本、中里 

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