遺伝子組換えバクテリアで物質を感知するロボットアーム

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2019/6/26 アメリカ合衆国・カリフォルニア大学デービス校 (UC Davis)

(Robot Arm Tastes With Engineered Bacteria)

・ UC Davis とカーネギーメロン大学の研究チームが、遺伝子組換え細菌を埋め込んだロボットアームで化学物質を感知する技術を開発し、生体ベースのソフトロボットを概念実証。

・ 同研究チームの長期的な目標は、ポリマーの生成による物体の修復、エネルギー創生や環境のバイオセンシングを支援するソフトロボット用の合成微生物群の開発。今回、ソフトロボットに生きた細胞を取り込むことで、生体-機械ハイブリッドマシーン開発の実現に一歩前進した。

・ 同ロボットアームデバイスでは、IPTG(イソプロピル-β-チオガラクトピラノシド)に反応して蛍光タンパク質を生成するように遺伝子組換えした大腸菌ベースのバイオセンシングモジュールを採用。多孔質のフレキシブルなメンブレンが、細菌の細胞を漏出させることなく、化学物質を取り込む役割を担う。

・ 同ロボットアームのフレキシブルグリッパー表面に埋め込まれた同バイオセンシングモジュールが、グリッパーの指を通じて化学物質を感知する。

・ IPTG がメンブレンを通じてチャンバーに達すると細菌の細胞が蛍光を発し、モジュールの電子回路が光を検出する。電気信号を受けたグリッパーの制御ユニットが、物体のピックアップまたはリリースを判断する。

・ 同デバイスの試験では、グリッパーが IPTG のウォータバスを判別し、バスの中へに物体を配置するか否かを決定した。

・ 現時点で感知できるのは一種類の物質のみであり、濃度の変化を検出するシステムの設計は難しい。また、ロボット内部・表面で微生物群を安定的に維持することも今後の課題。

・ 本研究は、米国科学財団(NSF)、米空軍科学研究局(AFOSR)および米海軍研究局(ONR)が一部支援した。 URL: https://www.ucdavis.edu/news/robot-arm-tastes-engineered-bacteria

(関連情報)

Science Robotics 掲載論文(アブストラクトのみ:全文は有料)

A biosensing soft robot: Autonomous parsing of chemical signals through integrated organic and inorganic interfaces

URL: https://robotics.sciencemag.org/content/4/31/eaax0765

<NEDO海外技術情報より>

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