2018/07/20 環境省自然環境局
愛知県瀬戸市におけるヒアリの確認について
平成30 年7月19日(木)に愛知県瀬戸市内で発見されたアリ(約350個体)について、専門家による同定の結果、7月20日(金)に特定外来生物であるヒアリ(Solenopsis invicta)と確認されましたので、お知らせします。
当該ヒアリは、中国の黄埔(コウホ)港を出港した貨物船にて、飛島ふ頭(愛知県海部郡飛島村)に陸揚げされ、陸路にて瀬戸市の事業者敷地に運ばれたコンテナ(1個)内で発見されたものです。
発見時に確認された個体については、すでに全て殺虫処理し、確認地点付近やコンテナが一時的に留め置かれた地点周辺では、名古屋港管理組合等と協力して殺虫餌(ベイト剤)等を設置しています。
昨年6月の国内初確認以降、これまで国内でのヒアリの確認事例は7月20日(金)現在で 12都府県、計31事例です。
1.経緯
7/3 中国・広州・黄埔(コウホ)港から当該コンテナを積載した貨物船が出港。
7/6 香港でコンテナを積み替え後出港。
7/13 愛知県飛島村飛島ふ頭に入港し当該コンテナを陸揚げ。
7/18 飛島ふ頭から木場金岡ふ頭(飛島村)内の運送業者車庫に移動し、一時的に留置き。
7/19 陸路にて愛知県瀬戸市内の事業者敷地へ当該コンテナを移動。事業者が貨物の確認
の際、コンテナ内に多数のアリを発見し、中部地方環境事務所(以下、中部事務所)
に通報。中部事務所より愛知県に連絡。
中部事務所が入手したアリを詳細に確認した結果、ヒアリである可能性が高かったた
め、専門家に同定のためサンプルを送付。
事業者は中部事務所及び愛知県の指示により、当該コンテナ及びその周辺にベイト剤
等を設置するとともに、当該コンテナを密封し、燻蒸消毒を実施。
飛島ふ頭のコンテナ陸揚げ場のコンテナターミナルで、事業者が目視調査を実施する
とともにベイト剤を設置。
7/20 専門家が、サンプルがヒアリであることを確認。
2.今回確認されたアリについて
事業者敷地において確認されたアリは、ヒアリの女王アリ1個体、働きアリ約300個体、サナギ約50個体です。
3.今後の対応
愛知県瀬戸市内で発見されたヒアリは、直後の対応の結果、確認された全ての個体が殺虫処理されました。また、ヒアリが確認されたコンテナは薬剤による燻蒸消毒を実施しました。現在事業者敷地に留め置かれているコンテナ周辺では、ベイト剤及び粘着トラップを設置し継続調査を実施しています。さらに、コンテナが一時的に留め置かれた地点(飛島ふ頭)の周辺において、事業者がベイト剤の設置と目視調査を実施した結果、新たなアリは確認されていません。今後、コンテナ周辺等では、ベイト剤及びトラップの設置等により、継続して調査します。
なお、中部事務所から、愛知県、瀬戸市、飛島村、港湾管理者等に対しては、以下を依頼しています。
・今回ヒアリの混入があったことから、ヒアリが確認されたコンテナの保管場所及びその周
辺の点検等を適宜施すること
・同様のルートで製品を輸入する際に、ヒアリその他の特定外来生物の付着・混入がないよ
う、事業所、コンテナ保管場所、積み出し港等の状況を把握し、対策を講じるよう関係者に
依頼すること
・今後、環境省等が実施する調査に協力すること
4.疑わしいアリの発見時の対応について
<事業者の皆様へのお願い>
コンテナの開封時等にヒアリやアカカミアリと疑わしいアリを発見した場合、まずは刺激を避けつつ、コンテナのどの箇所にどの程度の生存個体がいるか等、状況を確認してください。
多数の生存個体の集団がいる(予想される)場合は、コンテナの扉を閉めて逃げ出さないよう静置してください。そのうえで、関係機関(港湾管理者、地方公共団体、環境省地方環境事務所等)に速やかに連絡し、取り扱いについて相談してください。可能であれば、強粘着の布ガムテープでコンテナの目張りをするなど、ヒアリが逃げ出さないよう対応してください。
アリ類が少数しかおらず、逃げ出す恐れのない場合は、市販のスプレー式殺虫剤等でその場で駆除してください。その上で、関係機関に速やかに連絡し、取り扱いについて相談してください。
詳しくは、環境省の「ヒアリの防除に関する基本的考え方」のP.9~11を参照して下さい。http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/fireant/boujonituite.pdf
<一般の皆様へのお願い>
ヒアリやアカカミアリと疑わしいアリを発見した場合や、ヒアリやアカカミアリの特徴等一般的な問合せ、健康被害の問合せ等については、「ヒアリ相談ダイアル」をご利用ください。
・受付曜日:7月~9月末は土日休日を含む毎日(10月以降は火、木は休止)
・受付日時:午前9時から午後5時
・ヒアリ相談ダイアル 0570-046-110
ヒアリの特徴などについては下記を参照してください。
「特定外来生物ヒアリに関する情報」
○今回確認されたヒアリ(環境省撮影)
○今回アリが発見された場所
- 連絡先
- 環境省自然環境局野生生物課外来生物対策室
室長 北橋 義明
室長補佐 八元 綾
専門官 深谷 雪雄
中部地方環境事務所野生生物課
課長 酒向 貴子
課長補佐 渡邉 輝章