公道に設置したレーザレーダにより,対向車両を検知し,交差点を自動で右折
2019-08-20 株式会社IHI
株式会社IHI(本社:東京都江東区,代表取締役社長:満岡 次郎,以下「IHI」)は,神奈川県,小田急電鉄株式会社※1,江ノ島電鉄株式会社※2,SBドライブ株式会社※3,先進モビリティ株式会社※4,コイト電工株式会社※5と連携し,8月21日(水)~30日(金)まで,江の島周辺の公道において,自動運転バスの実証実験を実施します。
実証実験は,神奈川県が推進する「ロボット共生社会推進事業」の一環で,昨年度に引き続き,実施するものです。神奈川県は,「さがみロボット産業特区」の取り組みを中心に,ロボットの実用化や普及・活用を進めることで,ロボットが社会に溶け込み,いのちや生活を支えるパートナーとして活躍する「ロボットと共生する社会」の実現に向けた取り組みを推進しています。今年度は昨年度から進化させ,走行距離を片道約2キロメートルへと倍増させるとともに,新たに,信号機情報連携(コイト電工株式会社),路車協調による自動運転バスの交差点右折支援(株式会社IHI)を行います。
交差点での右折は,自動車の安全な自動運転を実現するための課題の一つです。「ロボットと共生する社会」の実現に向けて,IHI技術開発本部は,これまで培ってきたセンシング技術を活用し,公道に設置したレーザレーダが検知した交差点内の対向車両の状況を,専用のLTE回線(4G回線)を介してリアルタイムで自動運転バスに通知し,自動運転バスの右折支援を行います。
今回,公道に設置するIHIの三次元レーザレーダは,あらかじめ定めた範囲内の物体の位置・形状をレーザ光によって計測し,対象物を的確に検知することが可能で,国内外で2,000台以上の納入実績があります。2015年からシンガポール科学技術研究庁A*STAR※6(Agency for Science, Technology, and Research)と共同で,自動運転車両による公道交差点での右折支援の実証試験を行うなど,安全な道路交通社会の実現に向けて,センシング技術のさらなる高度化に向けた研究開発にも取り組んでいます。
IHIは,「技術をもって社会の発展に貢献する」という経営理念のもと,社会課題を解決し,新たな価値の創造を実現することを目指し,今後も,人々の生活を支える新技術の開発に取り組んでいきます。
【実証試験の概要】
1. 日程:2019年8月21日(水)~30日(金)(土曜・日曜日を除く)
※一般モニターの試乗は,26日(月)~30日(金)
※天候・災害等の理由により,中止になる場合があります。
2.運行ルート:県立湘南海岸公園中部バス駐車場 ⇔ 湘南港桟橋バス停
※バス停を1箇所設置(江ノ島水族館前バス停)
3.運行時間:10時から16時まで往復5便
4.内容:一般車両や自動車,歩行者が行き交う環境での自動運転バスの
走行検証および自動運転バスの実用化に向けたサービス面の検
証を行います。
5.使用車両:日野ポンチョをベースにした自動運転車両(定員8名)を用いて,
レベル3※7相当で走行します。
6.乗車方法:一般試乗には事前予約が必要です。以下のサイトにて先着順で
受け付けます(募集人員400名)。乗車料金はかかりません。
<予約サイト> https://buscatch.jp/dtod/enoshima.php
【関連資料】
神奈川県発表:http://www.pref.kanagawa.jp/docs/sr4/prs/r0779976.html
【3次元レーザレーダ概略図】
【脚注】
※1
小田急電鉄株式会社…本社:東京都新宿区,取締役社長:星野 晃司,
※2
江ノ島電鉄株式会社…本社:神奈川県藤沢市,代表取締役社長:楢井 進,
URL: https://www.enoden.co.jp/
※3
SBドライブ株式会社…本社:東京都港区,代表取締役社長 兼 CEO:佐治 友基,
URL: https://www.softbank.jp/drive/
※4
先進モビリティ株式会社…本社:東京都目黒区,代表取締役社長:青木 啓二,
※5
コイト電工株式会社…本社:静岡県駿東郡長泉町,取締役社長:山口 常雄,
URL: http://www.koito-ind.co.jp/
※6
A*STAR…シンガポールの科学技術研究の中核をなす公共セクターであり,世界クラスの科学研究と人材育成を通じて,シンガポールが活気ある知識基盤型社会を形成することを目的とする法定機関。シンガポールの既存産業セクターの成長および新規成長産業の創出に必要な研究・開発分野を監督・支援しており,知的資源・人的資源等の産業パートナーへの提供を通じて産業クラスター形成の支援を行っている。
※7
レベル3…限定条件のもとで,システムがすべての運転タスクを実施し,システムの要請などに応じてドライバーが適切に対応する。