2019/3/25 アメリカ合衆国・ワシントン州立大学(WSU)
低温度で汚染物質を除去する触媒開発における進展
(Catalyst advance removes pollutants at low temperatures)
・ WSU、ニューメキシコ大学、アイントホーフェン工科大学(オランダ)、パシフィックノースウェスト国立研究所(PNNL)が、高温を耐久し、ほぼ室温下で汚染物質を除去する白金の単原子触媒を開発。
・ 1970 年代以来、米国における自動車排気ガス中の汚染物質除去の触媒プロセスでは、白金等の希少金属を使用した化学反応で CO 等を CO2 や窒素、水に転換する。
・ しかし、自動車の燃費向上に伴うエネルギー使用量の減少と排気ガス温度の低下により、汚染物質の除去が困難となっており、米国エネルギー省(DOE)では 150℃を下回る温度で有害な排出ガスの 90%を除去する目標を掲げている。
・ このような目標に向けた触媒は、厳しい環境条件下と低温度下で機能することが求められる。一方、触媒に必要な白金等の貴金属の高コストも課題。
・ 酸化セリウムに担持した白金単原子の活性化をベースとする新触媒は、現行技術の性能を上回るもの。白金使用量がより少なく、全体的なコストを低減させる。
・ 本研究では、新触媒が高温度下で酸化セリウム上に白金イオンを担持し、熱的に安定することを確認。高温度下の触媒合成方法により、白金原子が担体に強固に結合する。約 275℃下での CO による活性化処理後には高反応性を示し、室温に近い温度下で汚染物質を除去する酸素を獲得する。
・ 今後は、他の有機化合物や汚染物質での単原子触媒性能について研究を進める。本研究には、 DOE の基礎エネルギー科学室(BES)および Netherlands Research Center for Multiscale Catalytic Energy Conversion が資金を提供した。
URL: https://news.wsu.edu/2019/03/25/catalyst-advance-removes-pollutants-lowtemperatures/
(関連情報)
Nature Communications 掲載論文(フルテキスト)
Tuning Pt-CeO2 interactions by high-temperature vapor-phase synthesis for improved reducibility of lattice oxygen
URL: https://www.nature.com/articles/s41467-019-09308-5
<NEDO海外技術情報より>