不可視を可視化するカメラ (Camera brings unseen world to light)

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2019/7/4 アメリカ合衆国・ハーバード大学

・ ハーバード大学が、シングルショットで偏光を画像化できる超小型のポータブルカメラを開発。

・ 親指ほどのサイズの同小型カメラは、自動運転車のビジョンシステムや、航空機や衛星による環境化学物質の調査、カムフラージュした物体の検出に利用できる。

・ 一般的なカメラが検知できるのは光の明るさと色に限られており、偏光状態の測定には多方向にわたる複数の偏光画像が必要。そのため従来の撮像デバイスでは可動部や光を伝送する複数の経路を使用。これにより光学機器が大型となっていた。

・ 特殊パターン処理したカメラピクセルを利用する比較的最近の技術では、完全な偏光状態の測定ができない上、標準外のイメージセンサーが必要。今回開発したカメラでは、波長サイズのスケールで光と相互作用するナノ構造であるメタ表面を利用。メタ表面をもつシンプルなデバイス 1 個に必要な全光学機器を集積した。

・ 新たに発見した偏光と物体の相互作用を利用して設計した同メタ表面は、サブ波長の間隔で配置したナノピラーのアレイの利用により偏光をベースに光を誘導し、それぞれに異なる偏光状態を示す 4 つの画像を形成。これらの画像がピクセル毎の偏光の完全なスナップショットを提供する。

・ 新カメラは長さが約 2cm で、複雑さはスマートフォンのカメラと同等。アタッチレンズと保護ケースを併せても小型のランチボックス程度のサイズ。射出成形したプラスチックの欠陥の検出、屋外で車のフロントガラスに反射する偏光の撮影や、自己撮影した顔面の 3D 輪郭の可視化等で同カメラの試験を実施。

・ 同カメラ技術は、携帯電話や自動車に搭載される既存のイメージングシステムに統合が可能なため、偏光イメージングと新しいアプリケーションの幅広い普及が期待できる。

・ Harvard Office of Technology Development が 同技術の知的財産権を保護。商用化の機会を探る。

・ 本研究は、米国科学財団(NSF)、米国 空軍科学研究局(AFOSR)、Harvard Office of Technology Development による Physical Sciences & Engineering Accelerator グラント、Google Accelerated Science および King Abdullah University of Science and Technology が支援した。

URL: https://www.seas.harvard.edu/news/2019/07/camera-brings-unseen-world-to-light

(関連情報) Science 掲載論文(アブストラクトのみ:全文は有料)

Matrix Fourier optics enables a compact full-Stokes polarization camera

URL: https://science.sciencemag.org/content/365/6448/eaax1839

<NEDO海外技術情報より>

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