2019/4/9 アメリカ合衆国・ミシガン工科大学
新しい RFID システムですべてのモノを IoT に (All things can be part of the Internet of Things with new RFID system)
・ ミシガン工科大学、ワシントン大学と Intel Corporation から成る研究チームが、日常的な製品の IoTセンサーのネットワークへの取り込みを可能にする、RFID 信号処理と機械学習アルゴリズムによる新システム、『IDAct』を開発。
・ 同システムは、現在 IoT に存在する 142 億個の「スマート」な電子デバイスと数千億個の非スマートな日用品を橋渡しするもの。あらゆる場所に存在する日用品には、そのセンシング機能向上とそれらの周囲環境とのインタラクティブなアプリケーションの創出能力の機会が潜在する。
・ RFID リーダーとあらゆる物体に貼り付けられる安価なバッテリーフリーの RFID タグを使用する同システムは、薬品の容器に貼り付けて服薬履歴の追跡、コップで水分補給レベルのモニタリング、また、ヨガマットでエクササイズ状況に合わせて照明、温度や BGM を調整する等、様々なアプリケーションが可能。さらに、服薬や日常的な活動の非侵襲なモニタリングによる高齢者介護での活用も考えられる。
・ RFID システムでは、タグがリーダーから受ける電磁エネルギーを吸収して独自のコードを発信し、物体や信号の有無を検出する.。従来より商品の棚卸しや盗難防止等において物体の追跡に使用されている。。
・ 新システムでは、物体が発する固有の電磁干渉の情報を RFID タグが発する信号と併せて利用。この詳細な信号を読み取って物体の移動や人の接触等を検出する。また、室内の電磁場の変化を検知することで、例えば人の存在の有無も検出できる。
・ RFID タグが受けた信号は、オンサイトのコンピューターの機械学習アルゴリズムが分析し、室内で起こっている活動を判別する。同システムの試験ではラップトップパソコンで分析を実施したが、将来的には必要なハードウェアを RFID リーダー自体に統合したいと考える。
・ RFID タグをアパート内の様々な日用品に貼り付け、RFID リーダー一式を設置して同システムの試験を実施。住人が居る各室から 26 時間分のデータを、対照として空室の 2 時間分のデータをそれぞれ収集。96%超の精度で住人の存在を認識できた。
・ 次には、高齢者介護環境での利用に向けて産業パートナーを募る。本研究は Intel Labs が支援した。
URL: https://news.engin.umich.edu/2019/04/internet-of-things-with-new-rfid-system/
(関連情報) iEEE RFID Conference(2019 4/4 アリゾナ州フェニックス開催)
発表論文(フルテキスト) IDAct: Towards Unobtrusive Recognition of User Presence and Daily Activities
URL: https://ubicomplab.cs.washington.edu/pdfs/idact.pdf
<NEDO海外技術情報より>