3D プリンテッドデバイスを作るマルチマテリアルのファイバー「インク」を開発

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2019/9/11 アメリカ合衆国マサチューセッツ工科大学(MIT)

 (Engineers develop multimaterial fiber “ink” for 3-D-printed devices)

figure1

・ MIT は、電子が内部に埋め込まれた機能的なデバイスを、一般的な 3D プリンターで作製する新しい手法を開発。デバイスは、複数の相互接続した材料を含むファイバーで構成。発光し、周囲を感知し、エネルギーを貯蓄可能。
・ 同システムは、従来の 3D プリンターを使用。特殊なノズルと、ノズルから押し出される前に溶解してしまうことが多い通常の単一材料ポリマーフィラメントの代わりに、新しいタイプのフィラメントを装備。新しいフィランメントは、異なる材料が精密に配置された複雑な内部構成で、外側は、ポリマー被膜で覆われている。
・ 新プリンターは、ノズルが低温度で作動し、従来のプリンターよりも速くフィラメントを引っ張るので、外側の層のみ部分的に溶融。内部は冷却され固体状態なので、埋め込まれた電子機能には影響なし。隣接したフィラメントの固着に必要なだけ表面がプリント中に溶解するので、堅牢な 3D 構造を作ることが可能。
・ フィラメントの内部には、導体としての金属ワイヤや、能動機能を制御するための半導体、及びワイヤが互いに接触するのを防ぐポリマー碍子が含まれている。これらの構成物が、顕微鏡的亀裂の形成を明示。
・ 実証用の試作品、モデル飛行機の翼に使用したフィラメントの材料は8つだが、研究者らによると、それ以上入れることも可能。本研究以前には、金属、半導体やポリマーを、一つのプラットフォーム上に置けるプリンターは、それぞれの材料が異なるハードウェアや技術を要するため、存在していなかったとのこと。
・ 新技術は、従来の 3D デバイス作製手法より 3 倍速く、より多くのフレキシビリティさを有するフリーフォーム形状のデバイスを構築できるという。・ 新技法はまた、研究チームが 20 年以上にわたり研究を続けてきた、様々な種類の材料が埋め込まれた熱的に延伸した繊維を活用するプロセス。材料中に電子コンポーネントを埋め込んだ繊維のアレイを作成し、ファイバーに多様な機能をもたせた。これらのファイバーは、新技法によりエネルギーを感知、通信、貯蔵する機能をもつ 3D デバイスの材料として利用可能になった。
・ ファイバーの作製には、異なる材料をプリフォームと呼ばれるラージスケールのバージョンに初期段階で組み立て、熱して炉に入れ、材料全部を含んだ幅の狭いファイバーを生成。・ 新技術は、様々な異なる種類のデバイスに活用可能で、特に、患者自身の体とデバイスが一致することが重要なバイオ医療デバイスなど、それぞれのデバイスを正確にカスタマイズする機能が不可欠なものには必須。例えば義肢には、患者の正確な寸法と輪郭の一致だけでなく、装着した義肢のモニタリングや制御が必要なので、効果的。
・ 研究チームでは長年に渡り、異なる材料や機能を含んだファイバーアレイの開発に取り組んでおり、そのほとんどに新しい 3D プリンティング技術が適用可能とのこと。デバイスは、研究室や家庭などにもすでに普及している標準的な 3D プリンターである熱溶解積層法(FDM)プリンターが使用できる。
 ・ 将来的には、バイオ医療のインプラントの材料をプリントして、損傷臓器を置き換えるための新しい細胞の成長に足場を設けることが可能、その成長をセンサーでモニタリングしたりできるようになると考える。
・ 新手法は、デバイスのプロトタイプ作成にも効果的で、実際の機能を備えたものが作製可能。
・ 本 研 究 は 、 米 国 立 科 学 財 団 (NSF) 、 米 陸 軍 研 究 所 (ARL) 、および Institute for Soldier Nanotechnologies を通じ米陸軍研究事務所(ARO) より一部支援を受けた。
URL: http://news.mit.edu/2019/fiber-3-d-print-electronics-0912

(関連情報)
Nature Communications 掲載論文(フルテキスト)
Structured multimaterial filaments for 3D printing of optoelectronics
URL: https://www.nature.com/articles/s41467-019-11986-0

<NEDO海外技術情報より>

Abstract

Simultaneous 3D printing of disparate materials; metals, polymers and semiconductors with device quality interfaces and at high resolution remains challenging. Moreover, the precise placement of discrete and continuous domains to enable both device performance and electrical connectivity poses barriers to current high-speed 3D-printing approaches. Here, we report filaments with disparate materials arranged in elaborate microstructures, combined with an external adhesion promoter, to enable a wide range of topological outcomes and device-quality interfaces in 3D printed media. Filaments, structured towards light-detection, are printed into fully-connected 3D serpentine and spherical sensors capable of spatially resolving light at micron resolution across its entire centimeter-scale surface. 0-dimensional metallic microspheres generate light-emitting filaments that are printed into hierarchical 3D objects dotted with electroluminescent pixels at high device resolution of 55 µm not restricted by surface tension effects. Structured multimaterial filaments provides a path towards custom three-dimensional functional devices not realizable by existing approaches.