エネルギーの節約を支援するパーソナルなエアコンのウェアラブル冷暖房パッチ

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2019/5/17 アメリカ合衆国・カリフォルニア大学サンディエゴ校 (UCSD)

 (Wearable Cooling and Heating Patch Could Serve as Personal Thermostat and Save Energy)

・ UCSD が、家庭や外出先で使用できるパーソナルなウェアラブル冷暖房パッチを開発。

・ 柔らかくストレッチャブルな同ウェアラブルパッチは、周囲の温度が変化しても着用者の皮膚の快適な涼しさや温かさを保つ。電源には、スプリング状の銅ワイヤで連結したコイン型電池のアレイを埋め込んだ、ストレッチャブルなバッテリーパックを使用。冷暖房エネルギーの節約を支援する。

・ 現在、様々なパーソナル冷暖房器具が販売されているが、ブレードや水を使用するものは着用や携帯に不便。同ウェアラブルデバイスは着用時の快適性や利便性を求めた設計で、フレキシブル、軽量で衣類に容易に埋め込める。

・ 同パッチは、テルル化ビスマス合金製の微細なピラーを銅製の電極片にはんだ付けして 2 枚の弾性シートで挟んだ構造。この熱電性の合金が、着用者が選択した温度で皮膚の冷暖を保つ。冷暖速度が他の身体部位より速い背中や首等に配置することで、冷暖効果を促進できる。

・ 弾性シートは、ゴム材料の Ecoflex と高い伝熱性を有する窒化アルミニウム粉を混ぜて作製。弾性シートの間の熱電合金ピラー中の電流の導通に伴う熱移動(ヒートポンプ効果)を利用し、皮膚側のパッチから外部に面する側のパッチへの電流の流れで冷房効果が、その流れの逆転で暖房効果が得られる。

・ 同パッチのプロトタイプをメッシュ製のアームバンドに埋め込み、温度を管理した環境で男性の着用による試験を実施。同パッチは 2 分で被験者の皮膚を設定温度の 89.6℉(32℃)に冷やし、室温が 71.6 ℉(22℃)~96.8℉(36℃)間で変化してもその温度を維持した。

・ パッチ 1 個のサイズは 5cm×5cm で、最大 0.2W 程度の電力を使用。冷房ベストの作製には 144 個のパッチを要し、約 26W で平均的な夏日に着用者を涼しく保つ(猛暑の場合は電力使用量がノートパソコン程度の最大で 80W まで増加)。一般的なエアコンによるオフィス全体の冷房には数十 kW の電力が必要。

・ 現在、プロトタイプ冷暖房ベスト用のパッチを作製中。電子機器、ハードウェアや温度管理用のモバイルアプリケーションを開発し、数年以内の商用化を目指す。

・ 本研究は、米国エネルギー高等研究計画局(ARPA-E)(グラント DE-AR0000535)および US San Diego スタートアップファンドが支援した。

URL: https://ucsdnews.ucsd.edu/pressrelease/wearable_cooling_and_heating_patch_could_serve_as_ personal_thermostat_and_save_energy

(関連情報)

Science Advances 掲載論文(フルテキスト)

Wearable thermoelectrics for personalized thermoregulation

URL: https://advances.sciencemag.org/content/5/5/eaaw0536

<NEDO海外技術情報より>

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