自動車内装用の高性能木質意匠パネル・部品の作製技術の開発

ad
ad

木材の細胞を流して固める “木質流動成形” の実用化への一歩

2018/02/05 産総研

ポイント
  • 持続的に利用できカーボンニュートラルな木質資源の工業材料化技術を開発
  • 産総研の技術シーズ「木質流動成形」に基づいた企業共同研究の垂直連携による成果
  • 伐採木材製品(HWP)として普及させ、木材利用による炭素貯蔵への貢献を目指す
  国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)構造材料研究部門 田澤 真人 研究部門長 兼 同部門 循環材料グループ 研究グループ長と同グループ 三木 恒久 主任研究員は、岐セン株式会社 【代表取締役 後藤 勝則】(以下「岐セン」という)、自動車部品メーカーと共同で、自動車内装品に適用可能な木質意匠パネル・部品の作製技術を開発した。

今回開発した技術は、産総研が独自に開発した木質流動成形技術を核にして、岐センが持つ木材調色技術と、自動車部品メーカーの持つ金型プレス技術を改良し組み合わせた技術で、これまでの自動車用木質内装材(本木目パネル)に比べて木材使用率が50 %と圧倒的に高く、高強度の木質意匠パネルを作製できる。

この技術は木材の工業材料としての長期利活用を可能にし、炭素貯蔵による地球温暖化防止へ貢献する技術として期待される。

なお、この木質意匠パネルのサンプルは、2018年2月14~16日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される「nano tech 2018 第17回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」で展示される。

本プレスリリースの概略図
自動車内装における使用イメージ(a)
従来の自動車用本木目パネル(b)と今回試作した木質意匠パネル(c)の概略図

 

開発の社会的背景

 近年、地下資源枯渇問題を背景に、木材などのバイオマス資源を高度に利活用するための技術開発が盛んに行われている。特に、持続的に利用できるバイオマス資源を原料に、金属やプラスチック製品と同等(以上)の性能を持つ部素材の創出は、世界的にも重要かつ喫緊の課題となっている。

炭素固定能を持ちカーボンニュートラルな木質バイオマスは、第17回 気候変動枠組条約締約国会議(COP17)で伐採木材製品(HWP)と定義され、HWPを使用する場合は炭素排出量にカウントされない。木材や木材を多く含む部素材の利用は、森林吸収源対策として有望視されており、今後、建築物だけでなくより幅広い用途、特に工業材料として利用できるように木材を処理する技術や加工する技術が望まれている。

研究の経緯

タイトルとURLをコピーしました