平成30年度 大気環境における放射性物質のモニタリング結果について

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2020-03-30 環境省

環境省では、大気汚染防止法(昭和43年法律第97号)第22条第3項に基づき、放射性物質による大気汚染状況の常時監視(モニタリング)を行っています。今般、平成30年度のモニタリング結果を取りまとめましたのでお知らせします。全国の測定地点(309地点)の空間放射線量率は、過去の調査結果と比べて特段の変化は見られませんでした。

1.大気汚染防止法に基づく放射性物質のモニタリング

環境省では、大気汚染防止法に基づき、放射性物質による大気の汚染の状況を常時監視(モニタリング)を行っています。

具体的には、環境省が離島等で実施している環境放射線等モニタリング調査において設置しているモニタリングポストにおける測定結果及び原子力規制委員会が各都道府県で実施している環境放射能水準調査等において設置しているモニタリングポストにおける測定結果を取りまとめています。

これらについては、放射性物質の放射線量(空間放射線量率)及び大気浮遊じんの放射能濃度の測定並びに大気浮遊じん及び大気降下物中の核種分析を行っており、このうち、環境省が行っている空間放射線量率及び大気浮遊じんの全アルファ及び全ベータ放射能濃度等の測定結果については、随時、速報値としてインターネット上で公表しています。

平成30年度 大気環境における放射性物質のモニタリング結果について

http://housyasen.taiki.go.jp/

なお、平成30年度に、環境省が環境放射線等モニタリング調査において行った大気浮遊じんの全アルファ及び全ベータ放射能濃度並びに土壌及び陸水の核種分析の調査結果を含めた調査結果の詳細は、以下の環境省ホームページに掲載しています。

放射性物質の常時監視 | 大気環境における放射性物質の常時監視に関する評価検討会
環境省のホームページです。環境省の政策、報道発表、審議会、所管法令、環境白書、各種手続などの情報を掲載しています。

2.測定結果の概要

(1)測定期間

平成30年4月1日から平成31年3月31日まで

(2)測定項目

ア 空間放射線量率

イ 核種分析(大気浮遊じん、大気降下物)

(3)測定地点

ア 空間放射線量率

309地点

(環境放射線等モニタリング調査10地点、環境放射能水準調査等299地点)

イ 核種分析

①大気浮遊じん

59地点

(環境放射線等モニタリング調査10地点、環境放射能水準調査49地点)

②大気降下物

52地点

(環境放射線等モニタリング調査4地点、環境放射能水準調査48地点)

(4)評価方法

・空間放射線量率、大気浮遊じん及び大気降下物の核種分析のデータを対象として、降雨等の気象データを参考に、直近の過去3年間(平成27年4月~平成30年3月)及び東京電力福島第一原子力発電所事故(以下「原発事故」という。)の前3年間(平成20年1月~平成22年12月)の調査結果と比較し評価を行いました。

・得られたデータの最大値、最小値及び平均値を求め、変動範囲を確認しました。

(5)測定結果と評価

ア 空間放射線量率

①全国の空間放射線量率の範囲は、0.005~1.201μSv/h(マイクロシーベルト毎時)でした。今回の調査結果は、過去の調査結果(過去3か年度及び東日本大震災以前のデータ)と比べて、以下に掲げる②③を除き特段の変化は見られませんでした。

②全国309地点のうち、過去の調査結果と比べて最大値が高かった41地点については、降雨が確認されており、一時的な上昇であることから自然現象に伴う空間放射線量率の変動と考えられます。

③原発事故後に空間放射線量率が上昇した東北及び関東の地点については、空間放射線量率の平均値は過去3か年度の調査結果と比べて減少もしくは同等となっています。

(注)本公表では、1Gy/h(グレイ毎時)=1Sv/h(シーベルト毎時)と換算して表示しています。

イ 核種分析

①大気浮遊じん

・γ線スペクトロメトリーによって大気浮遊じんを分析した結果、一部の調査地点では、人工放射性核種であるセシウム134及びセシウム137がわずかに検出されたものの、ほぼ全ての地点において検出限界値を下回りました。

・大気浮遊じんを分析した結果は、概ね過去の調査結果と比べて特段の変化は見られなかったことから、新たな事象による人工放射性核種の影響は認められなかったものと考えられます。

②大気降下物

・γ線スペクトロメトリーによって大気降下物を分析した結果、一部の調査地点では、人工放射性核種であるセシウム134及びセシウム137が検出されたものの、ほとんどの地点において検出限界値を下回るかあるいはわずかの検出でした。

・大気降下物を分析した結果は、概ね過去の調査結果と比べて特段の変化は見られなかったことから、新たな事象による人工放射性核種の影響は認められなかったものと考えられます。

3.今後の予定

環境省では、令和元年度も引き続き、全国の離島等の10地点において大気環境における放射性物質のモニタリングを実施中です。この結果については、原子力規制委員会が各都道府県において実施している環境放射能水準調査等と合わせて令和3年3月に公表する予定です。

添付資料

連絡先

環境省水・大気環境局大気環境課

課長神谷洋一

課長補佐仁科英俊

2005放射線防護
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