ガス化をグリーンに (Gasification goes green)

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2020/1/10 アメリカ合衆国・ライス大学

schematic of low-temperature, copper-ruthenium syngas catalyst

Rice University researchers boosted the stability of their low-energy, copper-ruthenium syngas photocatalysts by shrinking the active sites to single atoms of ruthenium (blue). (Image by John Mark Martirez/UCLA)


・ ライス大学、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)およびサンタバーバラ校(UCSB)研究者らが、ライス大学が 2016 年に実証した銅(Cu)-ルテニウム(Ru)光触媒を改良し、低エネルギー・低温度の合成ガス製造プロセスを開発。

・ 合成ガス製造方法の一つであるメタンドライリフォーミング(乾式改質)は、温室効果ガスのメタンとCO2 を使用するため、重要度が高まっている。

・ 一酸化炭素と水素ガスから構成される合成ガスは、数百基もの世界のガス化プラントで石炭、バイオマスや天然ガスから作られ、年間 460 億ドル超相当の燃料や化学物質の製造に利用されている(BCC Research 2017 analysis)。

・ ガス化では、水蒸気と触媒による炭化水素の分解で、合成ガスの構成要素の水素ガスと一酸化炭素を形成する。乾式改質では水蒸気の代わりに CO2 から酸素原子を取り出すが、水蒸気ベースの手法より高温度と多量のエネルギーが必要。

・ ライス大学の Laboratory for Nanophotonics(LANP)では、光が金属に照射して発生する「ホット・キャリア」と呼ばれる、短寿命の高エネルギー電子の増量を 2011 年に実証し、2016 年に同ホット・キャリアを利用して触媒反応を促進する「アンテナ-リアクタ」を数種類開発。そのうちの一つ、アンモニアから水素を作る Cu-Ru アンテナ-リアクタについて 2018 年に報告している。

・ 今回の合成ガス製造触媒は、このアンテナ-リアクタと同様な設計で、直径約 5~10nm の Cu 分子に Ru 原子のアイランドが点在したもの。2018 年のアンモニア触媒では各アイランドには数十個の Ru 原子が含まれていたが、今回の乾式改質触媒では 1 個に低減した。

・ 水素と炭素を引き離す Ru の活性サイトを散在させ、炭素原子同士の反応によるコーキング形成の可能性を低減し、炭素原子と酸素による CO 形成を促進。

・ また、ホット・キャリアが反応表面から水素を迅速に分離させ、水素分子の形成を促進。さらに、水素と酸素の反応の可能性を低減させ、炭素と反応して CO を作る酸素を残す。このように、ホット・キャリアを利用してコーキングを確実に回避する。

・ 今回の研究結果は、オンデマンドで水素を製造するサステナブルな低温度の光駆動型メタン改質反応の可能性も提供。単一原子を使用したアンテナ-リアクタ設計は、合成ガス製造の他にも様々なアプリケーションに向けたエネルギー高効率な触媒の設計に有用と考える。

・ ヒューストンを拠点とするスタートアップのSyzygy Plasmonicsに同技術のライセンスを供与。本研究は、ウェルチ財団、米国空軍研究所(AFOSR)および米国防総省(DoD)が支援した。

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