2019-07-31 水産庁
令和元年度の道東~常磐海域におけるサンマ長期漁海況予報を公表。
趣旨
国立研究開発法人 水産研究・教育機構 東北区水産研究所が、関係試験研究機関による資源調査結果等を踏まえて、今後(漁況:令和元年8月から12月まで、海況:令和元年8月及び9月)の道東~房総沖における海況及びサンマの漁況について見通しを取りまとめました(注)。
本年度の漁期を通じた来遊量は、昨年を下回ると予測されました(詳細は以下のとおり)。
(注)本漁海況予報は、水産庁の「水産資源調査・評価推進事業」により、漁業者や流通加工業者等の操業の効率化や経営の安定に役立てていただくとともに資源の合理的・持続的利用を図ることを目的として行っているものです。
今後の見通し(漁況:令和元年8月から12月まで、海況:令和元年8月及び9月)の概要
・漁期を通じた来遊量は、昨年を下回る。9月中旬までの来遊量は極めて低調に推移するが、9月下旬以降に増加する。
・来遊する魚群は0歳魚と1歳魚で構成されるが、本年は漁期を通じて前年より1歳魚の割合が低い(注)。1歳魚の平均体重は2018年を下回る。
・大型船出漁直後(8月下旬)の漁場は、択捉島以北の海域に分散して形成される。近年の傾向から、魚群は親潮第2分枝に沿って南下すると考えられる。このため、その後の漁場は沖合を中心に形成され、道東沿岸の親潮第1分枝沿いでは漁場がほとんど形成されない。三陸海域への魚群の南下時期は例年より遅れ、漁場形成は10月下旬となる。
(注)本予報における1歳魚とは、6~7月のサンマ資源量直接推定調査時の体長が27cm以上、8月以降の体長が29cm以上の個体のこと。
詳しい内容については、水産研究・教育機構作成の添付資料を御覧ください。
図1.サンマ資源量直接推定調査の結果(令和元年6月~7月に行った表層トロール漁獲試験による。)
円の面積は漁獲されたサンマの尾数、×は漁獲のなかった調査点を示す。緑の矢印は例年漁期前半に来遊するサンマの分布と経路を、ピンクの矢印は漁期後半に来遊する魚群の想定経路を示す。
図2.海況の見通し(上図:8月中旬、下図:9月中旬をそれぞれ想定)
・近海の黒潮の北限はやや北偏(北緯36゚10’~36゚20’)で推移する。
・親潮第1分枝(O1)の南限はやや南偏~かなり南偏(北緯37゚50’~39゚30’)で推移する。
・親潮第2分枝(O2)の南限はかなり北偏~極めて北偏(北緯40゚30’以北)で推移する。
・津軽暖流(TW)の下北半島東方への張り出しは平年並み~やや弱勢(東経142゚50’~143゚20’)で推移する。
・三陸沖の暖水塊(WR)は停滞する。
・近海の黒潮系暖水の北限は極めて北偏(北緯40゚50’以北)で推移する。
※平年(過去24年平均)に対する偏差の度合いに応じて、「平年並み」、「やや北(南)偏」、「かなり北(南)偏」、「極めて北(南)偏」にカテゴリー分けしている。平年位置は、8月が35度58分、9月が35度56分となっている。
(参考)
平成30年7月31日付けプレスリリース「平成30年度 サンマ長期漁海況予報(道東~常磐海域)」
http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/sigen/180731.html
<添付資料>
「令和元年度 サンマ長期漁海況予報」
http://tnfri.fra.affrc.go.jp/press/h31/20190731/20190731sanmayohou.pdf
国立研究開発法人 水産研究・教育機構プレスリリース「2019年度 第3回 東北海区海況予報」
お問合せ先
増殖推進部漁場資源課
担当者:国際資源班 森田、清水、屋敷
(予報の詳細についてのお問い合わせ先)
・漁況について
国立研究開発法人 水産研究・教育機構 東北区水産研究所資源管理部
担当者:巣山、宮本
・海況について
国立研究開発法人 水産研究・教育機構 東北区水産研究所資源環境部
担当者:栗田、筧