H3ロケット開発:第2回第1段厚肉タンクステージ燃焼試験結果

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2019-03-01 宇宙航空研究開発機構(JAXA)

第1段厚肉タンクステージ燃焼試験の第2回を実施した、結果をお知らせいたします。

試験日平成31年2月26日

試験場所 三菱重工業(株) 田代試験場(秋田県)
試験目的 H3ロケットの実機を模擬した機体推進系と
LE-9エンジンを組み合わせ、厚肉の推進薬
タンクを用いて燃焼試験を行うことにより
、推進系としての機能・性能データを取得
し、設計に資する。
着火時刻 14時45分
試験時間 37.8秒(37.5)
メイン燃焼圧力
(No.1)
10.00MPa(10.10)
メイン燃焼圧力
(No.2)
9.94MPa(10.07)
備考 液体水素タンク内の水素残量が少なくなっ
たことを検知して、正常に停止しました。

※( )の数値は、計画値

第1段厚肉タンクステージ燃焼試験の第1回の結果。

試験日 平成31年1月21日
試験場所 三菱重工業(株) 田代試験場(秋田県)
試験目的 H3ロケットの実機を模擬した機体推進系
とLE-9エンジンを組み合わせ、厚肉の推
進薬タンクを用いて燃焼試験を行うこと
により、推進系としての機能・性能デー
タを取得し、設計に資する。
着火時刻 18時55分
試験時間 20秒(20)
メイン燃焼圧力
(No.1)
10.40MPa(10.49)
メイン燃焼圧力
(No.2)
10.56MPa(10.48)

※( )の数値は、計画値

H3ロケットとは

2020年度に種子島宇宙センターから試験機1号機の打ち上げを予定している次世代の大型ロケットです。日本が宇宙への輸送手段を持ち続けれるように、現在運用中のH-IIAロケットの後継機として開発されています。

H3ロケットは、2020年度以降20年間を見据え、毎年6機程度を安定して打ち上げることで産業基盤を維持するという運用の世界を目指しています。そのためには、政府の衛星だけでなく打ち上げサービス市場から民間の商業衛星の受注が不可欠です。世界中で新しいロケットが開発される中、商業衛星に利用してもらうためには、日本国内だけでなく世界中の利用者から使いやすいロケットとして注目されるような新しいロケットを作る必要があります。

使いやすいロケットを目指して

H3ロケットは2020年度以降の世界でどのようなロケットが必要になるかを調査・予測し、それに応えるロケットとして、柔軟性・高信頼性・低価格の3つの要素を実現します。

柔軟性(High flexibility)

複数の機体形態を準備し、利用用途にあった価格・能力のロケットを提供します。また、受注から打ち上げまでの期間短縮によるサービスの迅速化や、年間の打ち上げ可能機数を増やすことで、「迅速に打ち上げたい」という利用者の声に応えます。そのために、ロケット組み立て工程や、衛星のロケット搭載などの射場整備期間をH-IIAロケットから半分以下に短縮します。

高信頼性(High reliability)

H-IIAロケットの高い打ち上げ成功率とオンタイム打ち上げ率(予定した日時に打ち上げられる率)を継承し、確実に打ち上がるロケットにします。

低価格(High cost performance)

宇宙専用の部品ではなく自動車など国内の他産業の優れた民生品を活用するとともに、生産の仕方についても受注生産から一般工業製品のようなライン生産に近づけることで、打ち上げ価格を低減させます。 固体ロケットブースタを装着しない軽量形態(主に低軌道の打ち上げに用いる想定)で約50億円の打ち上げ価格を目指しています。

新しい技術への挑戦

H3ロケットの開発では、H-IIAロケットで培った運用の経験を活かしロケット全体を刷新し、新しい大型液体ロケットエンジン(LE-9)の開発など技術への挑戦が必要です。

JAXAと国内の関連企業は、日本の技術を集結してこの新しいロケットの開発に取り組んでいます。

画像:新しい技術への挑戦

LE-9に至る液体ロケットエンジンの系譜。H3ロケットでは、1段2段の両方に、簡素で本質的安全性と低コストを両立できるエキスパンダブリードエンジンを採用しています。

画像:新しい技術への挑戦

LE-9エンジン開発に取り入れている要素試験と数値解析の事例。新しい開発手法を取り入れることで高信頼性の実現を目指しています。

イプシロンロケットとのシナジー効果

H3ロケットの固体ロケットブースタは、イプシロンロケットの第1段モータと共通化する計画です。それ以外にも、姿勢制御用ガスジェットやアビオニクスについても共通化の検討を進めており、2つの基幹ロケットの開発は相乗効果(シナジー効果)を発揮することを目指しています。

H3ロケット主要諸元

打ち上げ能力

SSO(高度500km) 4t以上
GTO 6.5t以上(ΔV=1500m/s)

機体形態

H3ロケットは2種類のフェアリング、第1段エンジン(LE-9)2基または3基、固体ロケットブースタ(SRB-3)0本、2本、4本の切り換えにより、様々な大きさや軌道の人工衛星の打ち上げに対応します。

画像:機体形態

主要諸元

全長 63m
全備
重量
574t(H3-24L)
衛星搭載 フェア
リング
ショート(S)
or ロング(L)
PAF Φ937mm
or 1,194mm
or 1,666mm
1段
(直径5.2m)
エンジン LE-9×2 or 3基
真空中
推力
1472kN/基(100%)
、927kN/基(63%)
海面上
推力
1221kN/基(100%)
、669kN/基(63%)
比推力 425s
2段
(直径5.2m)
エンジン LE-5B-3×1基
真空中推力 137kN
比推力 448s
固体
ロケット
ブースタ
(直径2.5m)
モータ SRB-3×0 or 2
or 4本
平均推力 2158kN
比推力 283.6s
全段 全備質量 574ton (H3-24L)

コンポーネントの説明

画像:コンポーネントの説明

H3ロケット開発・製造企業

プライムコントラクタ

  • 三菱重工業株式会社(MHI)

キー技術担当事業者

  • 株式会社IHI(IHI)
  • 株式会社IHIエアロスペース(IA)
  • 日本航空電子工業株式会社(JAE)
  • 三菱重工業株式会社(MHI)
  • 三菱スペース・ソフトウェア株式会社(MSS)

※アイウエオ順

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