リュウグウ到着!

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はやぶさ2プロジェクト
2018.06.29

2014年12月3日に種子島宇宙センターから打ち上げられてから1302日目、ついに「はやぶさ2」が目的の小惑星リュウグウに到着しました。到着時刻は、2018年6月27日、午前9時35分(日本時間)です。いよいよこれから本格的なリュウグウ探査が始まります。

イオンエンジンの運用が終わった2018年6月3日から、小惑星接近誘導が開始されました。光学電波複合航法により、正確に小惑星を目指していきます。途中、探査機の速度制御のための化学エンジン(スラスタ)の噴射(TCM:Trajectory Correction Maneuver)を9回行いましたが、第10回目のTCMを上記の時刻に行いました。その結果、リュウグウに対する相対速度が1cm/s以下になったことが確認され、到着と判断されました。

図1 リュウグウ到着時のドップラーデータ。縦軸は地球から遠ざかる速度の計画値からのずれを示す。横軸は2018年6月27日における時刻。
画像クレジット:JAXA

図1には、到着時のドップラーデータを示します。ドップラーデータとは、受信される探査機からの電波の周波数から視線方向の探査機の速度が推定できます。図1では実測値とTCMを行った後の軌道速度の計画値の差が示されています。縦軸はその差の2倍の値が示されていますが、TCMによって速度の差がほぼ0になったということは、計画どおりにリュウグウに対する相対速度がほぼゼロになったことを示しています。図1のTCMの時刻は午前9時35分(日本時間)ではないですが、これは探査機が約1.9天文単位(約2億8千万km)の彼方にいますので、情報が伝わるのに16分ほどかかっているためです。

ドップラーの情報を見た後、探査機からの情報(テレメトリ)も確認をして、09:54に津田プロマネが「小惑星リュウグウ到着確認」をしました。その後、記念の集合写真を撮影しました(図2)。


図2 リュウグウ到着記念の集合写真(2018年6月27日)。ガッツポーズをしているバージョンです。
画像クレジット:JAXA

距離20kmくらいになると、リュウグウの様子もかなりよく見えてきます。図3は、到着前日の6月26日にONC-T(望遠の光学航法カメラ)で撮影したリュウグウです。そろばんの珠のような形状や大小のクレーター、そしてたくさんのボルダー(岩塊)がよく分かります。

図3 ONC-Tによって撮影されたリュウグウ。2018年6月26日、12:50(日本時間)頃の撮影。
画像クレジット※:JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大, 産総研

これまでご紹介してきましたリュウグウの画像は、図3にありますように白っぽい感じのものでしたが、実際の色はどうなっているのでしょうか? ONC-Tは7つのフィルターである特定の波長帯の光で撮影ができます。そのようなデータをうまく組み合わせると天然色(カラー)の画像を作ることができます。図4にそのようにして作成した地球とリュウグウのカラー写真を示します。

図4 ONC-Tによって撮影された地球とリュウグウ。地球は、地球スイングバイの直後(2015年12月4日)に撮影されたもの。リュウグウは、2018年6月21日の多バンド画像からb,v,wバンド(波長0.48, 0.55, 0.70μm)を用いて天然色化したもの。
画像クレジット※:JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大, 産総研

図4のように実際のリュウグウは非常に黒っぽい天体であることが分かります。地上観測では、リュウグウのアルベド(光の反射率)は0.05と推定されており黒っぽい天体であると考えられていましたが、探査機からの観測もそれを裏付けるものとなっています。

これからしばらくの間はリュウグウの近くに留まり、観測したりランダー・ローバを降ろしたり、タッチダウンをしたりインパクタの実験を行ったりします。これまでとは運用の内容がかなり異なることになります。そこで、「はやぶさ2」のミッションロゴを新しくしました(図5)。これまでの青系統の色からピンク・紫系統の色に変えました。一番外側の朱色系の色は龍宮城のイメージで、その内側の紫色は竜宮城や乙姫様のノーブルなイメージ、最も内側の薄い紫色は乙姫様の羽衣のイメージです。全体的にリュウグウ探査にかけるプロジェクトメンバーの意気込みを示しています。なお、下に少し見える小惑星のイラストにはリュウグウの大きなクレーターやボルダーを描きました。


図5 新しいミッションロゴ。
画像クレジット:JAXA

いよいよこれからが探査の本番です。いろいろと難しい運用や長時間連続運用も行うことになりますが、リュウグウを徹底的に調べていく予定です。

最後に、リュウグウがだんだん大きく見えてくる動画を示します(図6)


図6 ONC-Tによって撮影されたリュウグウの連続画像。2018年6月5日〜6月26日の撮影。
画像クレジット※:JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大, 産総研

今後の探査結果をご期待ください。

※画像を引用する場合にはクレジットを記載してください。もしクレジットの短縮が必要な場合は「JAXA、東大など」と表記してください。

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