科学技術の関心と信頼と自然災害-[調査資料-279]の公表について
2019年1月24日(木)
科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、科学技術に関する国民意識調査を行った。2018年10月のインターネット調査の結果、科学技術関心度と科学者信頼度、科学技術肯定性は、長期的に増大傾向にあることが明らかとなった。
自然災害の防災・減災に関する科学技術への意識では、関心と期待に関しては有意な変化は認められなかった。一方、大規模災害などの緊急時にとるべき対策に対する意識などでは、幾つかの項目で熊本地震直後の2016年5月時点よりも高まっている。加えて、災害対策の強化のために科学者や技術者はどのような研究に注力すべきかという質問への回答についても、2016年5月と同じ水準を維持している。以上から、2018年10月における自然災害の防災・減災に向けた科学技術に対する意識は高い水準を維持しているものと考えられる。
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要旨
概要
報告書全文
ライブラリ:科学技術に関する国民意識調査-2016年3月~2018年10月 科学技術の関心と信頼と自然災害-[調査資料-279]
科学技術に関する国民意識調査- 2016 年 3 月~2018 年 10 月 科学技術の関心と 信頼と自然災害 -
文部科学省 科学技術・学術政策研究所
細坪護挙、加納圭、岡村麻子、三木清香
要旨
2018 年 10 月のインターネット調査の結果、科学技術関心度と科学者信頼度、科学技術肯定性 は、長期的に増大傾向にあることが明らかとなった。男女別には、科学者信頼度で、女性の方が 男性より高くなってきた一方、科学技術関心度や科学技術肯定性では男性の方が常に女性より 高いことが判明した。
自然災害の防災・減災に関する科学技術への意識では、関心と期待に関しては有意な変化は 認められなかった。一方、政府が講ずべき施策に関しては、気象災害の予測と対策と地震や火山 噴火の予測と対策で、規制制度の新設・改変や情報提供などが必要とする回答に、増加の傾向 が見られる。また、大規模災害などの緊急時にとるべき対策に対する意識は、いくつかの項目で 熊本地震直後の 2016 年 5 月時点よりも高まっている。加えて、災害対策の強化のために科学者 や技術者はどのような研究に注力すべきかという質問への回答についても、2016 年 5 月と同じ水 準を維持している。以上から、2018 年 10 月における自然災害の防災・減災に向けた科学技術に 対する意識は高い水準を維持しているものと考えられる。
Public Attitudes to Science and Technology: Interest and Trust for S&T in 3/2016 – 10/2018, and Natural Disaster 1st Policy-Oriented Research Group, National Institute of Science and Technology Policy (NISTEP), MEXT
ABSTRACT
As a result of the Internet survey in October 2018, it became clear that the degree of interest in science and technology, the reliability of scientists, and the degree of science and technology attitudes are on an increasing trend over the long term. It turned out that in scientist reliability, females became higher than male, while male is always higher than female in degree of interest in science and technology and attitudes toward science and technology. With respect to science and technology concerning natural disasters, there was no significant change in interest and expectation. Meanwhile, as measures to be taken by the government, there are increasing trends in regulatory systems and information provision, with regard to prediction and countermeasures of meteorological disasters, prediction of earthquakes and volcanic eruptions and measures. In addition, some items of measures to be taken in emergencies such as large-scale disasters have increased since May 2016, just after the Kumamoto earthquake. Furthermore, responses to questions as to what kind of research scientists and engineers should focus on in order to strengthen disaster countermeasures are maintained at the same level as in May 2016. Based on the above, the respondents’ attitudes on science and technology for natural disasters in October 2018 are considered to be at high levels.