熊本電気鉄道株式会社 藤崎線の列車脱線事故(平成31年1月9日発生)

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2019-10-31 運輸安全委員会

概要

報告書番号:RA2019-7-1

発生年月日:2019年01月09日

区分:鉄道

発生場所:藤崎線 黒髪町駅~藤崎宮前駅間(単線)[熊本県熊本市]北熊本駅起点1k660m付近

事業者区分:中小民鉄

事業者:熊本電気鉄道株式会社 (法人番号 1330001001517)

事故等種類:列車脱線事故

都道府県:熊本県

概要
熊本電気鉄道株式会社の御代志駅発藤崎宮前駅行き2両編成(ワンマン運転)の上り302列車は、平成31年1月9日(水)、6時50分ごろ、黒髪町駅~藤崎宮前駅の半径100mの右曲線を通過中、急に速度が低下し停止した。
停止後に運転士が確認したところ、後部車両の後台車全2軸が左へ脱線していた。
列車には、乗客約25名及び運転士1名が乗車していたが、負傷者はいなかった。

原因
本事故は、列車が半径100mの右曲線を通過中に、軌間が大きく拡大したため、後部車両後台車第1軸の右車輪が軌間内に落下し、軌間を広げながら走行した後、同軸左車輪のフランジが左レールを乗り越えて左に脱輪し、続けて同台車第2軸も左に脱輪したことによるものと考えられる。
軌間が大きく拡大したことについては、同曲線中でレール締結装置の不良が連続していたため、列車走行時の横圧によるレール小返り等で軌間が動的に拡大したことによるものと考えられる。
レール締結装置の不良が連続していたことについては、レール上面高さまで敷かれたバラストでまくらぎが覆われていたため、まくらぎやレール締結装置の検査が十分にできていなかったこと、平成29年に発生した同種事故の再発防止策であるPCまくらぎへの交換や犬くぎの増し打ちができていなかったことによるものと考えられる。
また、本事故の発生については、曲線中のスラックが比較的大きかったため軌間内への脱線に対する余裕が小さくなっていたこと、脱線防止レールがまくらぎに十分に締結されていなかったため、右車輪からの背面横圧等による脱線防止レールの小返り等が発生し、動的にフランジウェー幅が拡大したことにより、脱線防止の機能が十分に発揮できなかったことが関与した可能性があると考えられる。

死傷者数:なし

報告書(PDF):公表説明資料 公表年月日:2019年10月31日

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