2020-02-05 海上保安庁
1.噴火の状況
2月4日午後、第三管区海上保安本部羽田航空基地所属航空機により、西之島の火山活動の観測を実施しました。
詳細は以下のとおりです。
【調査結果】
・噴火 火砕丘の中央火口から約5秒の間隔で噴火が認められる。
・噴煙 噴煙が高度約2,700mまで上がっている。
・噴石 噴石が火砕丘周辺まで飛散している。
・溶 岩 西之島北岸から東岸にかけて溶岩流が海へ流入しており、溶岩流の先端から白色の水蒸気が認められる。
・変色水 西之島の南方約5海里(約9km)に極めて薄い黄緑色の変色水を認めた。
2.東京工業大学理学院火山流体研究センター 野上健治教授のコメント
「中央火口の山頂部から毎秒5秒に1回の割合で爆発を繰り返していた。前回の1月17日の状態と比べて連続的有色噴煙は上がっていないが、噴火活動は活発な状態といえる。山頂部の火口は赤色の溶岩が確認できた。マグマの上昇は依然として続いており、溶岩の流出は今後もしばらくの間続くものと考えられ、北側への拡大が予想される。
中央火口の火砕丘の東側山腹から溶岩の流出が続いている。溶岩流は北側~東側の海岸から海へ流出していた。」
3.航行警報
引き続き西之島の半径1.4海里以内を警戒範囲として、付近航行船舶に注意を呼びかけています。
また、新たに確認した西之島の南方約5海里の変色水についても航行
警報を発出し、付近航行船舶に注意を呼びかけています。
図1 調査結果の概略図(基図:海図W1356「西之島」令和元年5月刊行)
図2 西之島の全景。噴煙が高度約2,700mまで上がっている。(2月4日撮影)
図3 西之島北岸~東岸から溶岩流が海へ流入している。(2月4日撮影)
図4 溶岩の流下の状況(2月4日、熱赤外線画像)
図5 西之島の位置
出典:海洋状況表示システム
Webアドレス:https://www.msil.go.jp/msil/htm/main.html