アルマ望遠鏡科学観測サイクル6の観測提案審査が完了

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2018.08.13 国立天文台

Alma Telescope

2018年10月から1年間にわたって行われるアルマ望遠鏡科学観測「サイクル6」で実施される観測プロジェクトが出そろいました。2018年4月を締切として世界中から観測提案が募集された結果、集まった提案書の要求時間合計は19000時間を超え過去最大、観測提案に名を連ねた研究者の合計は1200名以上にのぼりました。今回の観測提案における競争率は4.9倍で、これも過去最高となりました。

観測提案の審査は、20の国と地域から集まった146名の経験豊かな天文学者によって行われました。審査員の地域別割合では、ヨーロッパが34%、北米が30%、東アジアが22%、チリが10%、その他の地域が4%でした。審査員の選定にあたってはジェンダーの平等も考慮されており、女性の審査員が40%以上を占めました。

観測提案の最終審査は2018年6月に東京で行われました。ここでは審査員が一堂に会し、専門分野ごとに設定された審査委員会で議論と評価が行われました。

「世界中から集まったエキスパートたちが、膨大な数の観測提案を審査するために協力して作業してくれたことにとても感謝しています。アルマ望遠鏡で次の1年間に行われる研究テーマがここで決まるわけですから、これはとても重要な作業です。」とアルマ望遠鏡のオブザーバトリー・サイエンティストを務めるジョン・カーペンター氏はコメントしています。

審査の結果、米欧が開発した12mアンテナからなる「12mアレイ」では、全体の26%の時間が「観測的宇宙論・遠方宇宙」カテゴリに割り当てられました。一方日本が開発したモリタアレイの7mアンテナ群「7mアレイ」では、53%が「星間物質・星形成・星間化学」に割り当てられています。

研究テーマ別割り当て時間比率採択された観測提案の研究テーマ別割り当て時間比率
Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)

地域別割合では、12mアレイの観測時間のうち33%がヨーロッパ、34%が北米、22%が東アジア、10%がチリに割り当てられ、1%がその他の地域に割り当てられました。7mアレイでは、28%がヨーロッパ、36%が北米、22%が東アジアに割り当てられ、チリとその他の地域が7%ずつとなっています。

地域別割り当て時間比率採択された観測提案の、研究者所属地域別割り当て時間比率
Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)

科学観測サイクル6では、いくつかの新しい観測モードも追加されました。円偏波の観測や、モリタアレイのみを使ったバンド8(周波数 385-500 GHz)の観測が可能になるほか、バンド6(周波数 211-275 GHz)で同時に観測できる周波数帯が5GHzから5.5GHzに拡大され、複数の分子が放つ電波をより効率的に観測することが可能になります。

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