金ナノ粒子自己集合を利用する「ステルスナノビーコン」の実証実験を開始

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商品管理と偽造防止技術として期待

2020-01-27   新エネルギー・産業技術総合開発機構

NEDOが「研究開発型ベンチャー支援事業/NEDO Entrepreneurs Program(NEP)」事業において支援を行った、金ナノ粒子のサブミクロン(0.1マイクロメートル)サイズの自己集合体が発する光シグナルを利用する偽造防止ナノタグ「ステルスナノビーコン」を開発した起業家候補人材の福岡隆夫氏(現京都大学研究員)が、今般、実際のサプライチェーンにおいて光シグナルの検出性能の確認や課題を検証する実証実験を行うこととなりました。

この「ステルスナノビーコン」は液体のインクのように医薬品錠剤などに印刷でき、特有のレーザーを0.2秒照射するだけで商品管理に必要な情報を得ることができるもので、医薬品などの偽造防止によるブランド価値の維持と人々の安心・安全な生活に役立つ技術として期待されます。

なお、1月29日から31日まで東京ビッグサイトで開催される「nano tech 2020」のNEDOブースにおいて「ステルスナノビーコン」に関する展示を行います。

1.概要

昨今、偽造品や模倣品の流通が大きな社会問題になっています。偽造品の流通量は世界貿易の10%に達しているほか、偽造医療薬品が正規の流通経路に混入する事件など、生命の危険に関わるような事態も発生しています。そのため、真正品と偽造品を区別し、ブランドと利益を守る偽造防止技術が強く求められています。このような背景から、福岡隆夫氏(現京都大学研究員)は金ナノ粒子のサブミクロンサイズ(0.1マイクロメートル)の自己集合体が発する光シグナルを偽造防止ナノタグとして利用する「ステルスナノビーコン」を開発しました。

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は「研究開発型ベンチャー支援事業/NEDO Entrepreneurs Program(NEP)」事業※1において、特定の技術シーズを活用する起業家候補人材に対し、起業および事業を加速する活動を支援しており、2018年度に福岡氏を起業家候補人材として採択しました。その中で福岡氏は、ナノタグインクの創製と、そのナノタグを印刷した試料からの光シグナルの検出に成功し、「ステルスナノビーコン」の安価で複製が困難な機能を用いた偽造防止ビジネスのProof of Concept(PoC)※2を確立しました。

その成果を受けて、NEDO事業終了後も福岡氏は開発を進め、今般、所属する国立学校法人京都大学などとともにサプライチェーンと連携し、実際の使用環境で検出性能を発揮できるかを確認し、解決すべき課題を検証する実証実験を行うこととなりました。

この「ステルスナノビーコン」は液体のインクのように医薬品錠剤などに印刷でき、ナノグラム量のナノタグに特有のレーザーを0.2秒照射するだけで商品管理に必要な情報を得ることができるもので、医薬品などの偽造防止によるブランド価値の維持と人々の安心・安全な生活に役立つ技術として期待されます。

なお、2020年1月29日から31日まで東京ビッグサイトで開催される「nano tech 2020」のNEDOブースにおいて「ステルスナノビーコン」に関する展示を行います。

nano tech 2020 (公式サイト)

2.実証実験の概要

NEDO事業において「ステルスナノビーコン」の社会的有用性が明らかになったことを受けて、福岡氏は、実用化に際して解決すべき課題を把握するため、サプライチェーンと連携し、病院などの現場の医薬品保管庫にナノタグを印刷した商品を置き、実際の使用環境で光シグナルの検出が行えるか確認する実験を2月から約6カ月間実施します。

3.「ステルスナノビーコン」の概要

金ナノ粒子を適切に集合・集積させると、光に対して単独粒子とは異なった機能を発現します。その現象の一つが表面増強ラマン散乱(SERS)※3です。福岡氏は、NEP事業の採択以前に中小企業庁の課題対応技術革新促進事業や創造技術研究開発事業などの制度を活用し、SERSを発現するナノ構造体の多様な作製法と、SERS検出を用いる超高感度センシング技術を長年研究し、この新しい原理に基づいて偽造防止ナノタグ「ステルスナノビーコン」を開発しました。

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