NUS の発明がワイヤレス接続を 1000 倍向上

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2019/7/15 シンガポール国立大学 (NUS)

 (NUS innovation boosts wireless connectivity 1,000 times)

・ NUS が、ウェアラブルデバイスとスマートフォンなどの電子機器とのより革新的な接続方法を開発。メタマテリアルな生地上に伝播する無線表面プラズモンを通じて相互接続した、従来の電波通信に依存しない高エネルギー効率で安全な「ワイヤレスボディセンサーネットワーク」を構築、複数のワイヤレスデバイスが同時に接続できるようにした。この接続方法では、従来よりも 1,000 倍の強度の信号でデータ送信可能で、デバイスのバッテリー消費量も大幅に改善。将来的には、健康管理モニタリング、医療介入、ヒューマン・マシン・インターフェイスなど、様々な分野で活用が期待されている。

・ 従来のボディセンサーは、スマートフォン等のウェアラブルデバイスに、Bluetooth や Wi-Fi などの電波を介して接続している。電波は放射状に放たれ、エネルギーの大部分が周辺環境で失われてしまうため、接続にはバッテリーも大幅に消費される。本研究では、センサー間の信号を身体に近づけることにより、エネルギー消費の効率化を図った。

・ 着用する衣服は、メタマテリアルとよばれる導電性繊維が入った生地で作製。メタマテリアルは、周囲に電波を放射する代わりに、衣服の上で身体の周りをワイヤレスで滑空する「表面波」を作製。デバイス間の信号エネルギーは、放射状に散乱せずに身体近くに保持できるので、電気消費量も抑えられ、弱い信号もより多く検出できる。メタマテリアルの使用により、受信信号を 1,000 倍に増やせるので、同じ電力でのデータ送信量が大幅に向上する。デバイス間の信号は非常に強力で、スマートフォンからデバイス本体に無線で電力を伝送でき、バッテリーフリーのウェアラブルデバイスの実現に、可能性を見出す。また、メタマテリアルは設計された周波数帯域内であれば、既存のワイヤレスデバイスと連携するため、スマートフォンや Bluetooth の変更は不要。従来は、ウェアラブルデバイスを装着した人まで、電波が信号を数メートル外側まで送信しているので、個人的な機密情報等が盗聴される危険性もあったが、無線通信信号を身体から 10cm 以内に制限したことで、プライバシーも保持される。

・ 本研究チームは、メタマテリアル生地の設計に関するシンガポールの第一年仮特許(First-year provisional patent)を持っており、それにはメタマテリアルの櫛形のストリップとパターン化されていない導体層が含まれる。ストリップは、身体のあらゆる部分と接続するために必要なパターンで衣服上に配置できる。メタマテリアル自体は安価で、1 メートルにつき数星ドル程度で簡単に購入可能。

・ この特殊なデザインは、コンピューターモデルを用いて作製されており、無線周波数域での通信が可能で、全体的な効率を最適化した。スマートな衣服は、導電性メタマテリアルをレーザー切断し、ストリップを生地に接着剤でとりつけて作製する。信号強度の損失を最小限に抑えながら、曲げたり畳んだりが可能で、導電性のストリップは、ワイヤレス機能を損なうことなく切断したり破いたりすることも可能。また、通常の衣服同様、洗濯や乾燥、アイロンがけも可能。

・ 今後は、この技術の商用化を目指してパートナーとさらなる開発を進め、近い将来には、アスリート用スポーツウェアや、病院患者用衣服を作製し、運動機能や健康状態をモニタリングできるようにする。本技術の適用範囲の可能性は幅広く、着用者の動作を妨げることなく状態を観察したり、手の動きだけでヘッドフォンの音量を調整できたりが可能となる。医療用品やスポーツウェア等で先進的な電磁力を使用できるようにして、社会がよりつながるようにする。

URL: http://news.nus.edu.sg/research/nus-innovation-boosts-wireless-connectivity-1000-times

(関連情報)

Nature Electronics 掲載論文(アブストラクトのみ:全文は有料)

Wireless body sensor networks based on metamaterial textiles

URL: https://www.nature.com/articles/s41928-019-0257-7

<NEDO海外技術情報より>

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