エタノール燃料電池のための新しいコアシェル触媒

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2019/6/7 アメリカ合衆国・ブルックヘブン国立研究所 (BNL)

(New Core-Shell Catalyst for Ethanol Fuel Cells)

A close-up of the platinum/iridium (green/blue) shell over a gold nanoparticle core (yellow)
・ BNL とアーカンサス大学が共同で、エタノールから電気エネルギーを抽出する極めて効率的な金ナノコア・白金/イリジウムシェル(Au@PtIr)触媒を開発。
・ 同触媒は、エタノールのエネルギーを最大限に引き出す理想的な化学的経路でエタノールの電気的酸化を促進し、エネルギー高密度のオフグリッド電力源としてエタノール燃料電池の利用を後押しするゲームチェンジャーであると考える。
・エタノール燃料電池は電池よりも軽く、液体燃料で手軽に燃料補給ができるため、 特に軽量性が重要なドローンでの利用が期待できる。
・ エタノールが保有するエネルギーのほとんどは、その分子の骨組みを形成する炭素-炭素結合に蓄えられている。新触媒は、適切なタイミングでこの結合を解いて、このエネルギーを取り出す働きをする。
・ エタノールの完全な電気的酸化反応では、分子毎に 12 個の電子が得られるが、不完全な酸化のため炭素-炭素結合が解けずに電子がほとんど得られない反応経路が多くある。また、反応プロセス初期に水素原子が失われると、炭素原子は一酸化炭素を形成し、これが触媒機能を損なう。
・ 完全な酸化反応では、プロセス初期に炭素の共有結合を解き、水素原子を保持して炭素原子を保護することで一酸化炭素の形成を回避し、その後脱水素や酸化のステップに移行する。
・ これらの反応ステップを高速化する新触媒は、ユニークなコアシェル構造に反応性原子を組合せたもの。金ナノ粒子の表面に共積層で形成した白金とイリジウムの「単原子のアイランド」において、金粒子のコアが引張ひずみを誘引し、白金とイリジウム原子による炭素-炭素結合の切断と水素原子の除去がそれぞれ適切なタイミングで促進される。
・ 同触媒の記録的なエネルギー変換効率を赤外反射吸収分光法で調査。金ナノ粒子コア/白金シェルおよび白金とイリジウム合金の各触媒での反応性を新触媒と比較して反応中間体と生成物を特定した結果、新触媒が 12 個の電子を獲得できる完全な酸化経路をエタノールで促進することを確認した。
・ 今後は、同新触媒を導入したデバイス開発を目指す。本研究で解明されたメカニズムの詳細は、他のアプリケーションに向けた新しいマルチコンポーネント触媒の設計の指針にもなり得ると考える。
・ 本研究には、米国エネルギー省(DOE)科学局と米国立科学財団(NSF)が資金を提供した。 URL: https://www.bnl.gov/newsroom/news.php?a=115562

(関連情報)
Journal of the American Chemical Society(JACS)
掲載論文(アブストラクトのみ:全文は有料)
Direct 12-Electron Oxidation of Ethanol on a Ternary Au(core)-PtIr(Shell) Electrocatalyst
URL: https://pubs.acs.org/doi/10.1021/jacs.9b03474

<NEDO海外技術情報より>

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