2026-06-10 九州大学
九州大学の研究グループは、電子皮膚(e-skin)などで利用される温度センサアレイ向けに、高速かつ低消費電力で動作する新たな読み出し技術「ダイレクト・デジタル読み出し方式(DDRO)」を世界で初めて開発した。従来はアナログ回路やAD変換器が必要で、高密度センサアレイでは配線ノイズや寄生容量の影響による遅延や消費電力増大が課題だった。本技術は、温度変化に応じて状態が急峻に切り替わるセンサ材料とデジタル回路を組み合わせ、アナログ変換を介さず直接デジタル信号として取得することで、ノイズ耐性と拡張性を向上させた。1024個の温度センサを搭載したアレイにおいて、1センサ当たり12.2ピコジュール、1行(32センサ)当たり710ナノ秒という極めて低消費エネルギーかつ高速な読み出しを実現した。人間の皮膚が多数の感覚受容器から効率的に情報を取得する仕組みを参考にしており、電子皮膚、ウェアラブル機器、ロボット、医療デバイス、さらには圧力・化学センサなどへの応用が期待される。
参考図:温度読み出し方法
<関連情報>
E-Skin温度センサーアレイ向けの高スケーラビリティかつノイズ耐性に優れたダイレクト・デジタル・リードアウト(DDRO):12.2 pJ/センサーおよび710 ns/行を実現
A Highly Scalable and Noise-Robust Direct Digital Readout (DDRO) for E-Skin Temperature Sensor Arrays Achieving 12.2 pJ/Sensor and 710 ns/Row
Kosuke Kayano, Sang-Gyu Koh, Shiyuan Sun, Satoshi Hamasuna,Takaaki Miyasako, Tadasu Hosokura, and Takeaki Yajima
2026 IEEE Symposium on VLSI Technology & Circuits


