最古のオーロラ様現象記録(紀元前660年前後)の発見~アッシリア占星術レポートの解析~

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2019-10-16   京都大学

 海老原祐輔 生存圏研究所准教授、三津間康幸 筑波大学助教、早川尚志 大阪大学・日本学術振興会特別研究員(兼・英国科学技術施設研究会議・ラザフォード・アップルトン研究所客員研究員)、三宅芙沙 名古屋大学准教授の研究グループは、紀元前8世紀から紀元前7世紀に楔形文字、アッカド語で粘土板に記されたアッシリア(現・イラク北部)占星術レポートを解析し、近代観測との比較検討の上で、オーロラ様現象の記録を3点同定しました。

 本研究グループは大英博物館に所蔵される粘土板の模写、楔形文字の翻字、英訳を行い、これらの記録をおよそ紀元前680年~紀元前650年のものと位置付けました。これらは従来知られていた最古のオーロラ記録より100年前後古いものです。

 本研究は、オーロラおよび太陽活動記録の歴史を100年前後更新しただけでなく、紀元前660年頃における、イラクのような低緯度地域でオーロラが見えるほどの高い太陽活動レベルを強く示唆する証拠を提供するものであり、これは今後の極端宇宙天気現象研究の重要な基礎データとなります。

 本研究成果は、2019年10月7日に、国際学術誌「The Astrophysical Journal Letters」のオンライン版に掲載されました。

図:紀元前680年〜紀元前650年頃のオーロラ様現象を示す粘土板2点の模写

書誌情報

【DOI】https://doi.org/10.3847/2041-8213/ab42e4

Hisashi Hayakawa, Yasuyuki Mitsuma, Yusuke Ebihara and Fusa Miyake (2019). The Earliest Candidates of Auroral Observations in Assyrian Astrological Reports: Insights on Solar Activity around 660 BCE. The Astrophysical Journal Letters, 884(1).

  • 朝日新聞(10月12日 31面)、日刊工業新聞(10月17日 29面)および読売新聞(10月13日 33面)に掲載されました。

詳しい研究内容について

最古のオーロラ様現象記録 (紀元前 660 年前後) の発見

~アッシリア占星術レポートの解析~

研究成果のポイント

1. 紀元前 8~7 世紀のアッシリア占星術レポートを解析し、オーロラ様現象注1)の記録を同定しま した。

2. この記録は、紀元前 660 年前後に位置づけられました。

3. この記録は、これまで知られていた最古のオーロラ記録より 100 年前後古く、紀元前 660 年周 辺の高い太陽活動レベルを強く示唆しています。

  筑波大学人文社会系の 三津間 康幸 助教、大阪大学大学院文学研究科博士後期課程3年(JSPS特別研究員 DC1)および英国科学技術施設研究会議・ラザフォード・アップルトン研究所客員研究員の 早川 尚志 氏、 京都大学生存圏研究所の 海老原 祐輔 准教授、名古屋大学宇宙地球環境研究所基盤研究部門宇宙線研究部 の 三宅 芙沙 准教授らの研究チームは、紀元前8世紀から紀元前7世紀に楔形文字、アッカド語で粘土板に 記され、実際に観測された天文現象についてアッシリア (現イラク北部) の王に説明する役割を果たした 占星術レポート注2)を解析し、近代観測との比較検討の上で、オーロラ様現象の記録を3点同定しました。研 究チームは大英博物館に所蔵される粘土板の模写、楔形文字の翻字、英訳を行い、これらの記録をおよそ紀 元前680年~紀元前650年のものと位置付けました。これらは従来知られていた最古のオーロラ記録より100 年前後古いものです。

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