H3ロケット用固体ロケットブースタ(SRB-3) 実機型モータ地上燃焼試験の結果について

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2018/08/26 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、H3ロケット用固体ロケットブースタ(SRB-3)開発の一環として、設計の妥当性等の確認を目的として実施したSRB-3実機型モータ地上燃焼試験の結果について、下記のとおりお知らせいたします。
試験は予定したデータを取得し、良好に終了しました。

試験日時:平成30年8月26日(日)16:00点火

試験場所:種子島宇宙センター 竹崎固体ロケット試験場

天  候:晴れ   風:4.5 m/sec   気温:29.1 ℃

[試験結果]

燃焼時間:110.1 秒

最大推力:2137 kN

最大燃焼圧力:10.7 MPa

 

[8/26更新] H3ロケット用固体ロケットブースタ(SRB-3)地上燃焼試験ライブ中継

SRB-3(エスアールビー・スリー)は、2020年度に試験機1号機の打ち上げが予定されている新型ロケット「H3(エイチスリー)」の固体ロケットブースタです。

固体ロケットブースタは、ロケット発射直後の推力を補う役割を担っており、約100秒燃焼した後、役目を終え、ロケットから切り離されます。H3ロケットではこのSRB-3を0本、2本、4本と付け替えることができるため、様々な大きさの人工衛星を打ち上げることができます。

今回、試験を予定しているのは「実機型モータ」と呼ばれる試験用のSRB-3で、燃料タンクであるモータケースに固体燃料を入れて点火し、燃焼時の特性などが設計意図どおりであるかを確認します。この試験により得られたデータをフライト用SRB-3の設計に反映します。

その燃焼試験の模様を、地上燃焼試験場から約900mの位置にある、現地、種子島宇宙センター竹崎展望台からライブ中継します。H3ロケットの開発現場を映像を通じて体感ください。

H3ロケット用固体ロケットブースタ(SRB-3) 実機型モータ地上燃焼試験の結果について

H3プロジェクトミッションマーク

●中継日

平成30年8月26日(日)(気象条件が整わなかったため、8月25日から変更しております)

●放送時刻

15:50~16:05頃

●ご留意願います

  • 今回の配信は株式会社ニコン殿の協力を得て、実験的に実施するものです。
  • 試験の進行状況や気象条件に応じ、配信日・配信時間等が変更または急遽中止になる場合があります。 あらかじめご了承ください。
  • 本試験結果については、後日HPに掲載致します。
視聴前に…こちらもチェック!

SRB-3とは?

SRB-3はコンポジット推進薬を用いた固体ロケットで、H3ロケット用の固体ロケットブースタとして開発しています。 H-IIAロケットとH-IIBロケットに用いられているSRB-Aで培った技術を活用しつつ、簡素化、低コスト化を追求しています。

SRB-3(CG)

具体的には、第1段機体と結合・分離する機構について、SRB-Aで採用していたスラストストラットと分離モータを用いた方式から、 スラストピンと火薬によるガスアクチュエータ(分離スラスタ)を用いた方式に変更し、結合箇所を大幅に減らします。 また、SRB-Aでは可動式だったノズルを固定式にしています。さらに、燃料タンクと燃焼室を兼ねるモータケースや各構成品については、低コスト化と軽量化を施します。 モータのサイズはSRB-Aとほぼ同じであり、将来はイプシロンロケットの第1段にも適用される計画です。

SRB-3

SRB-3の概要

主要諸元

もっと詳しく

  • SRB-3(ロケットナビゲータ)
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SRB-3概要

SRB-3はコンポジット推進薬を用いた固体ロケットで、H3ロケット用の固体ロケットブースタとして開発しています。 H-IIAロケットとH-IIBロケットに用いられているSRB-Aで培った技術を活用しつつ、簡素化、低コスト化を追求しています。
具体的には、第1段機体と結合・分離する機構について、SRB-Aで採用していたスラストストラットと分離モータを用いた方式から、 スラストピンと火薬によるガスアクチュエータ(分離スラスタ)を用いた方式に変更し、結合箇所を大幅に減らします。 また、SRB-Aでは可動式だったノズルを固定式にしています。さらに、燃料タンクと燃焼室を兼ねるモータケースや各構成品については、低コスト化と軽量化を施します。 モータのサイズはSRB-Aとほぼ同じであり、将来はイプシロンロケットの第1段にも適用される計画です。

画像:SRB-A、SRB-3比較画像

主要諸元

SRB-3の概要
主要諸元 SRB-3(計画) SRB-A(参考)
(長秒時燃焼モータ)
代表径 φ2.5m 同左
全長 14.6m 15.1m
全備質量 75.5ton 76.6ton
推進薬質量 66.8ton 66.0ton
全燃焼時間 約105s 116s
真空中比推力 283.6s以上 283.6s
真空中推力 約2130kN 約1750kN

開発の流れ

SRB-3の開発は、推進系、構造系、分離系のそれぞれの要素試験を行った後、組み合わせ試験、燃焼試験及び分離試験等を行い、設計の妥当性を評価していきます。主な試験を以下に紹介します。

モータケース試験

SRB-3のモータケースはCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を用いた一体構造となっています。モータケースの強度・剛性を確認するため、実機大のモータケースを使用し、耐圧・強度試験を行います。

平成29年4月に実施されたモータケース実機大強度試験(その1)の様子

平成29年4月に実施されたモータケース実機大強度試験(その1)の様子

構造系強度試験

前部アダプタとノーズコーン、後部アダプタと結合構造部はそれぞれ単体で強度試験を実施した後、モータケースと組み合わせた状態で強度・剛性を確認する試験を行います。

分離試験

SRB-3の分離系は、前方に1本、後方に2本の分離スラスタと推力を伝達するスラストピン1本で構成されています。第1段機体との接合部分が、 分離信号を受けて設計通りに分離することを確認するため、実機大の供試体を用いた分離試験を行います。

地上燃焼試験

固体推進薬の推進特性を最終的に確認するためには実際に燃焼させる必要があります。 SRB-3の開発では、設計の妥当性を確認するための実機型モータを使った燃焼試験と設計が確立した上で再現性や品質を確認するための認定型モータを使った燃焼試験を計画しています。 これらの燃焼試験の中で、イプシロンの第1段に適用するための可動ノズルの試験も実施する予定です。SRB-3の地上燃焼試験は種子島宇宙センターの竹崎地上燃焼試験場で実施します。

0301機体システム
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