西日本地域での飼料用米の安定生産に貢献
2018-02-15 農研機構
ポイント
- 温暖地西部で飼料用米としての栽培に適したイネ新品種「みなちから」を育成しました。
- 既存の多収品種「ホシアオバ」よりも9 %多収で、セジロウンカ1)や縞葉枯病2)、いもち病に強いという特徴があります。また、短稈で倒れにくいため、安定した生産が可能となります。
概要
- これまで育成された温暖地での栽培に適した多収品種は、倒伏や病害虫により収量性が十分に発揮できない事例が多くありました。
- このため、農研機構西日本農業研究センターは、西日本地域で栽培が可能で、多収かつ病害虫に強く、倒れにくい新たな多収品種「みなちから」を育成しました。
- 「みなちから」の収量は、多肥移植栽培では81.6kg/a(4カ年平均)で、既存の多収品種の「ホシアオバ」より約9%多収です。
- 稈長が「ホシアオバ」より20cm以上短く倒れにくいため直播栽培にも適しています。
- いもち病抵抗性は’強’で、縞葉枯病やセジロウンカにも抵抗性を持ちます。
- 瀬戸内沿岸部や九州地域で飼料用米として栽培が開始されており、今後の需要が期待される家畜飼料への活用が期待されます。
<関連情報>
予算:農林水産省委託プロジェクト研究「国産農産物の革新的低コスト実現プロジェクト(国産飼料分科会)」、「収益向上のための研究開発(自給飼料分科会)」
品種登録出願番号:第30998号(平成28年3月31日出願、6月28日出願公表)
お問い合わせ
研究推進責任者:農研機構西日本農業研究センター 所長 竹中重仁
研究担当者: 同 水田作研究領域 水稲育種グループ 中込弘二
広報担当者: 同 企画部 産学連携室 広報チーム長 菅本清春
参考図