愛媛大学発の新たな「もち麦」を開発~TILLING法を活用して健康機能性もち麦開発を加速~

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2020-09-10 愛媛大学

概要

愛媛大学大学院農学研究科食料生産学専攻の八丈野孝 准教授・荒木卓哉 教授らの研究グループは、TILLING(Targeting Induced Local Lesions in Genomes)法を活用したオオムギの変異体選抜システムを確立する過程で、4種のもち麦系統を新たに単離しました。

八丈野准教授、荒木教授らで構成される農学研究科研究グループ「はだか麦資源開発研究グループ」では、遺伝子組換え技術とは異なる「TILLING法」という育種技術を活用して様々な機能を持つはだか麦を開発しようとしています。愛媛県は33年連続ではだか麦の生産量が日本一で、主にマンネンボシという品種を栽培しています。研究グループでは8043系統のマンネンボシの大規模変異体集団を準備してきており、TILLING法を利用して目的遺伝子の変異系統を効率よく迅速に単離する手法を確立しています。

今回、この大規模変異体集団からの選抜システムの有効性を実証するために、表現型マーカーとして「もち性」に着目し、迅速に8043系統をスクリーニングする実験系を開発して4つのもち性変異系統を単離しました。デンプン成分のアミロースが産生されないか、著しく減少するともち性になりますが、アミロースの産生に関わるWaxy遺伝子に変異が起きるともち性の遺伝子型になります。これら4つの変異系統のWaxy遺伝子にはそれぞれ未報告の一塩基置換が起きており、TILLING法で変異として確認されました。将来的に、TILLING法をさらに活用して様々な有用遺伝子の変異系統を単離して交雑することで、健康機能性成分等を高蓄積するもち麦系統を効率的に開発することができると期待されます。

本研究成果は、国際学術誌「Plants」に2020年9月6日にオンライン掲載されました。

詳しい資料は≫

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1202農芸化学
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