2019/4/15 アメリカ合衆国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA)
降雪で発電する新デバイス (Best in snow: New scientific device creates electricity from snowfall)
・ UCLA が、降雪で発電する摩擦帯電型ナノ発電デバイス、snow TENG (snow-based triboelectric nanogenerator)を開発。
・ 小型でフレキシブルな薄いプラスチックシート状の同デバイスは、正電荷を帯びた雪と負電荷を帯びたシリコーンを組合せたもので、雪がシリコーンの表面に接触することで発電する。
・ 雪は電子を放出しやすいが、もう一方の材料がそれらの電子を取り込む効率によって同デバイスの性能が決定する。アルミ箔やテフロン等様々な材料を試した結果、シリコーンが最も多く電荷を発生させることがわかった。
・ 積雪により太陽光発電パネルの出力が低減する冬期には、同デバイスと太陽光パネルを組み合わせることで、降雪時のエネルギー供給を補うことも可能となる。
・ 同デバイスはまた、スキー等のウィンタースポーツのモニタリングや、ランニングやジャンピング等のアスリートのパフォーマンスのより正確な評価・改善に利用することもできる。
・ さらに、スマートウォッチでは検出が困難な、クロスカントリースキーでの主要な運動パターンの把握に利用できる可能性もあり、アスリートとそのパフォーマンスや挙動を正確に追跡・検出する次世代の自己発電型ウェアラブルデバイスとして期待できる。
・ シリコーン層と電極から成る同デバイスは 3D プリンティングで作製。シリコーンの加工と入手のし易さにより低コスト製造が可能と考える。シリコーンは、潤滑剤、電線絶縁体やバイオ医療インプラント等、幅広く産業利用される材料であるが、今回、エネルギーハーベスティングの可能性が見出された。
・ 同大学研究チームでは、水と油脂の分離膜、太陽エネルギーで安価・効率的に発電・貯蔵するデバイスや、難燃性ナノ発電デバイスの FRTENG 等も開発している。
・ 本研究は、同大学研究チームのスピンオフ企業である Nanotech Energy および Dr. Myung Ki Hong Endowed Chair in Materials Innovation の資金により実施された。
URL: http://newsroom.ucla.edu/releases/best-in-snow-new-scientific-device-createselectricity-from-snowfall
(関連情報) Nano Energy 掲載論文(アブストラクトのみ:全文は有料)
All printable snow-based triboelectric nanogenerator
URL: https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2211285519302204?via%3Dihub
<NEDO海外技術情報より>