2019/01/11 国土地理院
全国の地殻変動概況
別紙1~7は、国土地理院が全国に展開している電子基準点等のGNSS連続観測網(GEONET)の観測結果から求めた2018年11月下旬から2018年12月下旬までの1か月間の地殻変動を表したものです。東日本の広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
火山周辺では、硫黄島において継続的な地殻変動が見られます。
- 別紙1 全国 (PDF形式:451KB)
- 別紙2 北海道地方 (PDF形式:261KB)
- 別紙3 東北地方 (PDF形式:293KB)
- 別紙4 関東・中部地方 (PDF形式:449KB)
- 別紙5 近畿・中国・四国地方 (PDF形式:983KB)
- 別紙6 九州地方 (PDF形式:664KB)
- 別紙7 沖縄地方 (PDF形式:214KB)
トピックス
- 雌阿寒岳周辺では、雌阿寒岳と雄阿寒岳の間での伸びは、2017年5月頃から鈍化していますが伸びの傾向は継続しています。(別紙8)
- 吾妻山周辺では、だいち2号によるSAR干渉解析結果によると、2018年6月以降、大穴火口周辺で最大約4cm(暫定値)の隆起、最大約4cm(暫定値)の東西方向の相対的な伸長の変動が見られ、地下浅部での膨張によるものと考えられます。また、GNSS観測によると、2018年5月頃から山体の膨張を示す地殻変動が見られています。(別紙9)
- 草津白根山周辺では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙10)
- 硫黄島では、「硫黄島1」及び「M硫黄島A」では隆起、「硫黄島2」は南向きの変動が継続しています。(別紙11)
- 霧島山周辺では、だいち2号によるSAR干渉解析結果によると、2018年5月以降、硫黄山で最大約5cm(暫定値)の隆起、最大約2cm(暫定値)の東西方向の相対的な伸長の変動が見られ、地下浅部での膨張によるものと考えられます。新燃岳で約2cm(暫定値)の沈降、最大約2cm(暫定値)の東西方向の相対的な短縮の変動が見られ、山体の収縮によるものと考えられます。また、GNSS観測によると、霧島山を挟む基線で2018年9月頃から伸びの傾向が鈍化しています。(別紙12)
- 桜島周辺では、鹿児島(錦江)湾を挟む基線での伸びは停滞しています。桜島島内は2018年3月頃から伸びの傾向が鈍化していましたが、5月頃から停滞しています。(別紙13)
- 口永良部島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙14)
※1月3日に発生した熊本県熊本地方の地震(M5.1)では、GNSS観測及びだいち2号によるSAR干渉解析結果によると、今回の地震に伴う有意な地殻変動は観測されていません。(別紙15)
※1月8日に発生した種子島近海の地震(M6.0)に伴い、小さな地殻変動が観測されました。GNSS観測よると鹿児島県西之表市の西之表(にしのおもて)観測点で南東方向に約1cm(暫定値)移動するなどの地殻変動が観測されました。(別紙16)
補足説明
- 全国の1年間の地殻変動(2017年12月下旬から2018年12月下旬まで、別紙17)からは、以下のような傾向が見られます。
- 東北から関東・中部までの広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
- 平成30年北海道胆振東部地震に伴う地殻変動が見られます。
- 硫黄島では、島内の地殻変動が見られます。
- その他の地方では、プレート運動による定常的な地殻変動が見られます。
別紙一覧
- 別紙8 雌阿寒岳周辺の地殻変動 (PDF形式:551KB)
- 別紙9 吾妻山周辺の地殻変動 (PDF形式:1.2MB)
- 別紙10 草津白根山周辺の地殻変動 (PDF形式:417KB)
- 別紙11 硫黄島周辺の地殻変動 (PDF形式:864KB)
- 別紙12 霧島山周辺の地殻変動 (PDF形式:1.8MB)
- 別紙13 桜島周辺の地殻変動 (PDF形式:623KB)
- 別紙14 口永良部島周辺の地殻変動 (PDF形式:233KB)
- 別紙15 熊本県熊本地方の地震(1月3日 M5.1)前後の観測データ (PDF形式:1001KB)
- 別紙16 種子島近海の地震(1月8日 M6.0)前後の観測データ (PDF形式:162KB)
- 別紙17 全国の地殻変動(水平)-1年間- (PDF形式:458KB)
問い合わせ先
国土交通省国土地理院 測地観測センター 地震調査官 黒石 裕樹 測地観測センター 地殻監視課長 真野 宏邦 地理地殻活動研究センター 地殻変動研究室長 矢来 博司