3次元原子間力顕微鏡像の新たなシミュレーション手法を開発 ~生体分子の3次元構造を予測して映し出す~

ad
ad

2022-06-14 金沢大学,科学技術振興機構

金沢大学 ナノ生命科学研究所の炭竈 享司 特任助教(JST さきがけ研究員)、福間 剛士 教授、同研究所 海外主任研究者でアールト大学(フィンランド)のアダム・フォスター 教授らの共同研究グループは、3次元原子間力顕微鏡像を予測する新たなシミュレーション手法を開発することに成功しました。

生体分子は細胞内の溶液中で3次元構造を取りながらも動いており、動くことによってそれらの分子は機能しています。この機能により私たちの身体は維持され、生きています。従来の観測手法では溶液中で動いている生体分子の3次元構造を計測することは困難ですが、それを可能にし得る計測技術の1つが3次元原子間力顕微鏡です。しかし、生体分子のような柔らかくて動いている分子が3次元原子間力顕微鏡では“どのような像”として見えるのかを理論的に予測する手法はこれまでありませんでした。

本研究ではまず、染色体を模した高分子と原子間力顕微鏡のセンサー(探針)からなるモデルを構築し、ジャルジンスキー等式を用いて探針が高分子から受ける力を計算することで、生体分子の3次元原子間力顕微鏡像を理論的に予測する新たなシミュレーション手法を開発しました。その結果、ひも状の高分子は水中で動いていても、確かにひものような形状の3次元の像として描き出されることが分かりました。また本手法を用いたシミュレーションにより、3次元原子間力顕微鏡の実測における最適な実験条件の算出も可能となりました。さらに、今回開発したシミュレーション手法を用いることにより、これまで3次元原子間力顕微鏡で実測されている代表的な生体高分子であるアクチン繊維の3次元原子間力顕微鏡像を再現よくシミュレーションすることにも成功しました。

タイトルとURLをコピーしました