令和2年2月の地殻変動

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2020-03-09  国土地理院

全国の地殻変動概況

 別紙1~7は、国土地理院が全国に展開している電子基準点等のGNSS連続観測網(GEONET)の観測結果から求めた2020年1月下旬から2020年2月下旬までの1か月間の地殻変動を表したものです。東日本の広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。

 火山周辺では、硫黄島において地殻変動が見られます。

トピックス
  • GNSS観測によると、2019年4月頃から紀伊半島西部・四国東部でそれまでの傾向とは異なる地殻変動を観測しています。この変動は、紀伊水道周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。 (別紙8)
  • 草津白根山周辺では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙9)
  • 硫黄島では、「硫黄島1」及び「M硫黄島A」では隆起が継続しています。「硫黄島1」で北西向き、「硫黄島2」では南向きの変動が継続しています。(別紙10)
  • 西之島では、だいち2号によるSAR干渉解析結果によると、火砕丘の北側から東側で溶岩の堆積等によるとみられる非干渉領域が引き続き見られ、海岸線まで到達しています。また、火砕丘の北東側の広い範囲で、堆積した溶岩の経時変化等によるとみられる複雑な変動が見られます。一連の噴火活動に伴い、西之島の北側及び東側で溶岩等によるものとみられる地形変化が継続しており、海岸線が変化しています。(別紙11)
  • 阿蘇山周辺では、阿蘇山を取り囲む基線で、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙12)
  • 霧島山周辺では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙13)
  • 桜島周辺では、鹿児島(錦江)湾を挟む「鹿児島福山」-「隼人」等の基線でわずかな伸びが見られます。また、桜島島内の基線ではわずかな伸びが継続し、「桜島」では隆起の傾向が見られます。(別紙14)
  • 薩摩硫黄島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙15)
  • 口永良部島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙16)
  • 諏訪之瀬島では、「十島」で2019年末頃から、南東方向の小さな変動が見られます。(別紙17)
補足説明
  • 全国の1年間の地殻変動(2019年2月下旬から2020年2月下旬まで、別紙18)からは、以下のような傾向が見られます。
    • 東北から関東・中部までの広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
    • 硫黄島では、島内の地殻変動が見られます。
    • その他の地方では、プレート運動による定常的な地殻変動が見られます。
別紙一覧
参考資料

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」以降の地殻変動

問い合わせ先
国土交通省国土地理院
〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番
測地観測センター      地殻監視課長    真野 宏邦    
測地観測センター      地震調査官     黒石 裕樹    
地理地殻活動研究センター  地殻変動研究室長  矢来 博司 
1702地球物理及び地球化学
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