2019/6/4 アメリカ合衆国・ワシントン州立大学(WSU)
(Plastic water bottles may one day fly people cross-country)
・ WSU が、活性炭触媒を利用した高温熱分解により、プラスチック廃棄物からジェット燃料を生成する技術を開発。
・ 分解が困難なプラスチックの化学結合を壊すには、触媒が不可欠。プラスチックには、燃料の主要成分である水素が大量に含まれる。
・ 同技術の実験では、約 3mm の米粒ほどのサイズに粉砕した低密度ポリエチレンや飲料水ボトル等の様々なプラスチック廃棄物を、430~571℃の高温反応塔の活性炭触媒上に配置して燃料を生成。同触媒は繰り返し利用と活性の再生が可能。
・ 多様な温度下での数種類の触媒の試験において、最も優れた結果ではジェット燃料 85%とディーゼル燃料 15%の混合生成油が得られた。
・ 米国環境保護庁(EPA)によれば、2015 年には 2,600 万トンのプラスチックが埋立処理されている。中国は先般米国とカナダからのリサイクルプラスチックの受け入れ停止を発表。世界の海洋環境に侵入するプラスチックは少なく見積もっても 4,800 万トンと推算される。
・ 同技術は、プラスチックの廃棄量を低減すると同時にプラスチックのエネルギーのほぼ 100%を回収し、高品質の生成油と副生物のガスを産生できる。ジェット燃料を得るには生成油からの分離が必要 (分離しなければ全てディーゼル燃料)。
・ 容易なスケールアップが可能な同技術のプロセスは、大規模な施設での利用を始め、農場でのディーゼル燃料生成も可能と考える。
・ 本研究は、米国農務省(USDA) 国立食料農業研究所(NIFA)の Agriculture and Food Research Initiative Competitive Grant の資金により実施された。
URL: https://news.wsu.edu/2019/06/04/plastic-water-bottles-may-one-day-fly-people-crosscountry/
(関連情報)
Applied Energy 掲載論文(アブストラクトのみ:全文は有料)
Jet fuel production from waste plastics via catalytic pyrolysis with activated carbons
URL: https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0306261919310116?via%3Dihub
<NEDO海外技術情報より>