アルミニウム合金の新製造プロセス (A New Manufacturing Process for Aluminum Alloys)

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2019/6/18 アメリカ合衆国・パシフィック・ノースウェスト国立研究所(PNNL)

 (A New Manufacturing Process for Aluminum Alloys)

・ PNNL は、独自に開発した ShAPE™(Shear Assisted Processing and Extrusion)技術を
用いて、粉末からアルミ合金ナノロッドをワンステップで作る押出成形を実証。
・ 同技術は、溶解による従来技術に比してより安価で環境に優しく優れた金属製造を目指した破壊的なアプローチである、PNNL の Solid Phase Processing(SPP)の一環。
・ 同技術では、従来のアルミ合金粉末の押出成形プロセスにおける数ステップを省略することに加え、展延性が大幅に向上した押出部品を製造できる。高い製造コストにより高強度アルミ合金粉末の利用が制限されてきた自動車産業にとって有利な技術となる。
・ 従来のアルミ合金粉末の押出成形プロセスでは、粉末を缶に詰め込んでガスを抜き、缶のシーリング、加熱圧搾、予熱を経て押出プレスで形成後、缶を取り除いて押出品を完成させる。多段階のプロセスを要し、エネルギーを多量消費する。
・ 今回の ShAPE™プロセス実証では、Kymera International の SCM Metal Products, Inc.が提供した Al-12.4TM アルミ合金粉末を使用。回転する押出ダイを蓋の無い容器に入れた同粉末に押し付けることで、粉末とダイの間に発生する熱で材料が軟化し、容易に押出成形できる。このようなワンステップによるアルミ合金粉末のナノ構造押出成形の事例の報告は今回が初めて。
・ プロセスの省略に加え予熱を不要とすることで、製造時間を飛躍的に短縮して全体のコストを低減するため、より手頃な価格の軽量で低燃費の乗用車開発を目指す自動車メーカーにとって有益と考える。
・ また、大幅に向上したアルミ合金粉末成形品の展延性について、透過型電子顕微鏡により合金粉末と押出成形品の微細構造を調査した結果、ShAPE™プロセスが粉末粒子の二番目の相をナノサイズに縮小してアルミのマトリクス全体に分散させたことで展延性が向上したことがわかった。
・ SCM Metal Products, Inc.はまた、機械試験により押出成形品の評価も実施。PNNL と同社は現在、米エネルギー省(DOE)の Office of Technology Transition のプロジェクトにおいて、より大径の押出成形プロセスへのスケールアップを目指して協働中。アルミニウム合金を粉末から直接押出成形することにより、缶詰め、脱ガス、熱間静水圧プレス、缶詰除去、およびビレットの予熱が不要

・ 本研究は、PNNL の Laboratory Directed Research and Development プロジェクトである Materials Synthesis and Simulation Across Scales Initiative が支援し、Kymera International とカリフォルニア大学リバーサイド校が協力した。
URL: https://www.pnnl.gov/news-media/new-manufacturing-process-aluminum-alloys

(関連情報)
Materialia 掲載論文(アブストラクトのみ:全文は有料)
High ductility aluminum alloy made from powder by friction extrusion
URL: https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2589152919300560?via%3Dihub

<NEDO海外技術情報より>

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