執筆者
足立 大輔 (イェール大学)/海沼 修平 (東京大学)/川口 大司 (東京大学)/齊藤 有希子(上席研究員)
発行日/NO.
2019年5月 19-P-010
研究プロジェクト
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概要
製造現場における自動化が雇用を減少させることについての懸念が高まっている。その一方で、製造現場における自動化は保守点検サービスなど新たな需要を作り出し、生産性の上昇をもたらすことを通して、新たなサービス需要などを生み出すため、トータルでは雇用を減らさないとの指摘もある。自動化が雇用を減らすのか増やすのか、どちらの可能性も理論的にはあり得るため、実証分析が重要である。本稿では国際ロボット連盟の産業用ロボット台数と就業構造基本調査を組み合わせ、Acemogle and Restrepo (2018a)の地域労働市場を分析単位とした分析を行い、産業用ロボットの製造現場への導入と地域雇用の関係を分析する。分析の結果、ロボットの導入は地域全体の雇用と関係性が見られず、製造業の雇用とは正の関係性にあることが確認され、労働代替はなかったことが示唆される。