超巨大ブラックホールは銀河進化と無関係?

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アルマ望遠鏡で見えてきた電離ガス流と分子ガスの意外な関係

2018年2月20日  国立天文台

図:今回の観測をもとに描いた銀河WISE1029の想像図今回の観測をもとに描いた銀河WISE1029の想像図。銀河中心部から電離ガス流が激しく噴き出しているが、銀河円盤と垂直の方向に流れ出しているため、円盤内の分子ガスに影響を与えていない様子を表現しています。 オリジナルサイズ(5.2MB)

台湾中央研究院天文及天文物理研究所の鳥羽儀樹 研究員、工学院大学教育推進機構の小麦真也 准教授、愛媛大学宇宙進化研究センターの長尾透 教授らを中心とする研究チームは、アルマ望遠鏡を用いて、中心部から電離ガスを非常に激しく放出している活動的な銀河を観測しました。観測の結果、銀河に含まれる一酸化炭素ガスの検出に成功したと同時に、この一酸化炭素ガスが銀河中心からの激しい電離ガス流の影響をほとんど受けずに銀河中に存在していることが明らかになりました。これまで、超巨大ブラックホールが存在する銀河中心部からの電離ガス流は周囲の分子ガスの運動や星形成活動に大きな影響を及ぼすと考えられてきましたが、今回の結果は、超巨大ブラックホールと銀河は必ずしも影響を及ぼし合っているわけではないことを示唆しており、アルマ望遠鏡によって、超巨大ブラックホールと銀河の共進化の謎がさらに深まったと言えます。

この観測結果は、Toba et al. “No sign of strong molecular gas outflow in an infrared-bright dust-obscured galaxy with strong ionized-gas outflow”として、米国の天体物理学専門誌『アストロフィジカル・ジャーナル』に2017年12月に掲載されました。

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