大気汚染測定・分析機器の整備により首都テヘラン市の環境改善に貢献
2018-02-13 独立行政法人国際協力機構
署名式の様子
国際協力機構(JICA)は、2月12日、イラン・イスラム共和国の首都テヘランにて、テヘラン市役所との間で、「テヘラン市大気汚染分析機材整備計画」を対象として12億4,200万円を限度とする無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: G/A)を締結しました。
本事業は、テヘラン市に対し、排ガス測定や粒子状物質等の化学分析に必要な大気汚染分析機器を整備し、同市の大気汚染物質の発生源、排出量、生成メカニズム等の測定や分析精度の向上を図り、大気汚染の軽減に寄与するものです。
テヘラン市は、過去にJICAの技術協力を得ながら一酸化炭素濃度を当国政府の定める基準値以下まで削減しましたが、大気汚染の原因とされるPM10やPM2.5、二酸化硫黄(SO2)、二酸化窒素(NO2)については、依然として当国政府の定める基準を上回る値が観測されています。これらの物質は種類が多く発生源や測定法も複雑であるため、モニタリングはほとんど対応できていない状態です。このため、これら大気汚染物質の測定及び分析を行うための体制整備が重要な課題となっています。
本事業により、排ガス測定や大気汚染物質の測定、化学分析が可能となり、テヘラン市における大気汚染の現況把握及び大気汚染軽減に向けた対策検討が促進され、大気汚染が軽減することが期待されます。
JICAは本事業に加え、大気汚染対策の制度整備、人材育成を行う技術協力を組み合わせて、同市の大気汚染改善に向けた包括的な支援を実施していきます。
国名 | イラン・イスラム共和国 |
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案件名 | テヘラン市大気汚染分析機材整備計画(The Project for Improvement of Equipment for Air Pollution Analysis in Tehran) |
実施予定期間 | 36ヵ月(詳細設計・入札期間含む) |
実施機関 | テヘラン市大気管理公社 |
対象地域・施設 | テヘラン市 |
具体的事業内容(予定) | (1) 機材調達 自動車排ガス測定機材3式、化学分析機材8点、大気環境測定機材7式等(2) コンサルティング・サービス 詳細設計、入札補助、調達監理、(ソフトコンポーネントとして)大気汚染分析機材の操作方法、測定・分析結果集計方法、保守管理方法についての研修、操作手順書の整備等 |