新型スキルミオン結晶が示す特異なスピン・電荷励起の性質を発見 ~未知のデバイス機能の開拓や技術応用に期待~

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2022-06-30 早稲田大学,東京大学,科学技術振興機構

ポイント
  • 空間反転対称性のある系で発現する新しいタイプのスキルミオン結晶の低エネルギー励起の性質を調べるために、スーパーコンピューターを用いた大規模数値シミュレーションを行った。
  • スキルミオン結晶は、2種類の低エネルギー励起のモードを持つことが明らかとなり、これらの励起はそれぞれ、物質の「磁気的な性質」と「電気的な性質」を担う電子の「スピン」と「電荷」の自由度に由来する励起で、両者が完全に分離・独立していることを発見した。
  • この現象は、空間反転対称な磁性体において伝導電子の働きにより発現するスキルミオン結晶では「スピンと電荷のダイナミクスを個別かつ選択的に励起できる可能性」を示唆している。

早稲田大学 理工学術院の望月 維人 教授、同 大学院先進理工学研究科 修士課程2年の衛藤 倫太郎、東京大学 大学院工学系研究科のポーレ・リコ 特任研究員らの研究グループは、磁性体中の磁気モーメントが作る磁気渦(スキルミオン)の周期配列「スキルミオン結晶」において、電子が持つ「スピン」と「電荷」の低エネルギー励起が完全に分離・独立した「スピン-電荷デカップリング」が実現しており、それぞれを個別かつ選択的に励起できる可能性を理論的に発見しました。

本研究成果は、アメリカ物理学会発行の「Physical Review Letters」にて、2022年6月28日(火)(現地時間)にオンラインで掲載されました。

本研究は、以下の支援を受けて行われました。

〇研究費名:科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業 CREST(課題番号:JPMJCR20T1)
研究課題名:Beyond Skyrmionを目指す新しいトポロジカル磁性科学の創出
研究代表者名(所属機関名):于 秀珍(理化学研究所)

〇研究費名:日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A)
研究課題名:スキルミオニクス創成に向けた基盤技術と材料の開拓(課題番号:20H00337)
研究代表者名(所属機関名):望月 維人(早稲田大学)

〇研究費名:日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A)
研究課題名:金属酸化物スピン軌道エレクトロニクス(課題番号:19H00864)
研究代表者名(所属機関名):安藤 和也(慶應義塾大学)

〇研究費名:日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(S)(課題番号:16H06345)
研究課題名:強相関物質設計と機能開拓 -非平衡系・非周期系への挑戦-
研究代表者名(所属機関名):今田 正俊(早稲田大学)

詳しい資料は≫

<論文タイトル>
“Low-energy excitations of skyrmion crystals in a centrosymmetric Kondo-lattice magnet: Decoupled spin-charge excitations and nonreciprocity”
DOI:10.1103/PhysRevLett.129.017201
<お問い合わせ先>

<研究に関すること>
望月 維人(モチヅキ マサヒト)
早稲田大学 理工学術院 教授

<JST事業に関すること>
嶋林 ゆう子(シマバヤシ ユウコ)
科学技術振興機構 戦略研究推進部 グリーンイノベーショングループ

<報道担当>
早稲田大学 広報室 広報課
東京大学 大学院工学系研究科 広報室
科学技術振興機構 広報課

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