100兆回の書込みを保証する8MビットFRAMを開発

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高速動作と低消費電力を実現する産業機械に最適な不揮発性メモリ

2021-11-17 富士通セミコンダクターメモリソリューション株式会社

富士通セミコンダクターメモリソリューション株式会社(注1)は、FRAM(注2)製品では初めてとなる100兆回の書込み回数を保証した製品として、パラレルインターフェースの8MビットFRAM「MB85R8M2TA」のサンプル提供を開始しました。(図1)
本製品は、当社従来品よりもアクセススピードを約30%高速化するとともに、動作電流を10%削減しており、高速動作と低消費電力を両立させた不揮発性メモリです。これまでSRAMが使われていた高速動作を必要とする産業機械に最適なメモリです。(図2)

FRAMは、「高書換え耐性(書換え保証回数が多い)」、「高速書込み」、「低消費電力」の3つの特長で優位性をもつ不揮発性メモリで、これまでに20年以上の量産実績があります。

当社は2018年6月からパラレルインターフェースの8MビットFRAM「MB85R8M2T」を提供してきましたが、「書換え耐性を10兆回から更に増やして欲しい」「SRAMと同等の高速動作にして欲しい」「SRAMと同じTSOPのパッケージ形態で提供して欲しい」というお客様からの声を頂戴しました。それらご要求に応えながら低消費電力化も実現した後継品として、今回、8Mビット品「MB85R8M2TA」を開発しました。

本製品は、1.8V~3.6Vのワイドレンジ電源電圧で動作する、パラレルインターフェースのFRAMです。当社では初めてとなる100兆回のデータ書換え回数を保証しています。アクセススピードは、高速のページモードを使用することにより最大25nsで動作するので、連続したデータ転送をする場合にはSRAMと同等の高速アクセスが可能です。さらに、高速化を実現しながら動作時の低消費電力化も実現しました。動作電流は最大18mA(従来品よりも10%削減)、スタンバイ電流は最大150µA(同50%削減)となっています。(図3)


図1:MB85R8M2TAのパッケージ


図2:用途例(産業機械)


図3:当社従来品と新製品の電流比較(最大値)

パッケージは、48ピンFBGAに加えて、従来の4Mビット品からの置き換えが容易な44ピンTSOPの2種類があります。

現在、SRAMをご使用中のお客様が新製品の8MビットFRAMを採用することで、バッテリーを削減できるメリットがあります。不揮発性メモリへの置き換えに課題を抱えている場合は、当社のFRAMによって課題を解決できる場合があります。(図4)

  1. 課題:不揮発性メモリへのリプレースによるPCB基板や設計変更が面倒
    解決案:SRAMインターフェース互換で、かつパッケージ互換のFRAMを使用
  2. 課題:不揮発性メモリはアクセスタイムが遅いためリプレースが困難
    解決案:最速25ns(ページモード)の高速動作が可能なFRAMを使用
  3. 課題:10兆回の書換え制限では、製品開発の設計負担がある
    解決案:100兆回の書換えを保証するFRAMを使用


図4:SRAMを不揮発性メモリに置き換えるときの課題

富士通セミコンダクターメモリソリューションでは、開発する製品の高性能化を進めるだけではなく、持続可能な社会の実現のために何ができるか、を考えた事業を展開しています。その答えのひとつとして、「低消費電力のFRAM製品の開発」を継続しています。使用時の消費電力を少なくすることで、温室効果ガスのひとつであるCO2の排出量を少しでも減らすことを目指しています。
当社は、今後もお客様の要求に応えるとともに、地球環境の保護に貢献するメモリ製品の開発を続けていきます。

主な仕様

製品名  MB85R8M2TA
容量(メモリ構成)  8Mビット(512K x 16ビット)
インターフェース  パラレルインターフェース(低消費電力SRAM互換)
動作電源電圧  1.8V~3.6V
動作温度範囲  -40℃~+85℃
書込み/読出し保証回数    100兆回(1014回)
パッケージ  48ピンFBGA, 44ピンTSOP
低消費電力  動作電流(最大) 18mA
スタンバイ電流(最大) 150µA
スリープ電流(最大) 10µA

注釈

注1 富士通セミコンダクターメモリソリューション株式会社:
本社 神奈川県横浜市、代表取締役社長 曲渕 景昌。

注2 FRAM:
Ferroelectric Random Access Memory
強誘電体メモリ。強誘電体膜をデータ保持のキャパシタに利用したメモリ。電源を切っても内容を保持する。データの高速な書込み動作、低消費電力、書換え回数が多いといったROMとRAMの長所をあわせ持つ。FeRAMとも呼ばれる。当社では、1999年より量産開始。

商標

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

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