過去のコンピューター技術で未来の 3D プリンテッドメカニカルロジックゲートを作る

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2019/2/20 アメリカ合衆国・ローレンスリバモア国立研究所(LLNL)

(Researchers look to computing’s past to unlock 3D-printed mechanical logic gates for the future)

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・ LLNL とカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)が、高温等の電子機器には過酷な環境においても周囲の変化に反応できるメカニカルロジックゲートを、3Dプリンティング(2光子ステレオリソグラフィー)作製する技術を開発。

・ 電子部品を持たずに機械的な力でブーリアン演算を実行する同ロジックゲートは、あらゆる構造物の構成・埋め込み部品として利用でき、電力を使用することなく物理的に形状を変化させることで環境に対応するようプログラムできる。

・ メカニカルロジックゲートは一般的なコンピューターのように高性能ではないが、例えば金星のような厳しい環境で活動するローバー(移動車)や、電子機器を破壊する放射線や電磁パルス下で使用する低性能コンピューターにおいて有用。ローバーが過熱した場合に制御システムを発動させて冷却剤を取り込むための孔を作るといった利用方法も考えられる。

・ 同ロジックゲート設計では、微細な数ミクロンから大型サイズへのスケールアップと迅速なプロトタイプの作製も可能。

・ 同ロジックゲートデバイスの形状の変化は、スイッチのように機能するマイクロフレクシャゲートによるもの。連結したフレクシャゲートが刺激を受けると、電力を使用せずにメカニカルロジック演算に利用できる一連の形状変化を引き起こす。

・ 同ゲート自体は移動することで、トランスデューサーから圧力パルス等の外部バイナリ信号を取り込んで論理演算を実行。その結果がデバイスの形状を物理的に変化させる、全ゲートを通じたドミノ効果を作る挙動に変換される。

・ このようなロジックゲートは、ワクチンや食料品の温度情報を収集して特定の基準を超えた際に通知したり、橋梁内部で構造への荷重データを収集する等、高容量材料に内蔵するシンプルなロジックとして、通常ではデータ収集が困難な場所での用途が考えられる。

・ 同ロジックゲート構造の 3D プリント後、光ピンセットとして機能する様々なレーザーで適所に変形を加え、再びこの光ピンセットを利用してスイッチングを作動させる。現時点では 2D の設計であるが、3D での実現を目指す。

・ 同ロジックゲートが安定したパーソナル制御システムの設計に利用できることを期待し、同設計の無償公開を予定している。同技術はまた、学習ツールとしての利用も可能。商用 3D プリンターで独自のロジックゲートを作製することで、コンピューターの仕組みを学習できる。

・ 同技術のスケールアップの可能性探求と伝達化学物質の研究に向け、Laboratory Directed Research and Development (LDRD) プログラム下にて新しいプロジェクトを開始している。

URL: https://www.llnl.gov/news/researchers-look-computing%E2%80%99s-past-unlock-3d-printedmechanical-logic-gates-future

(関連情報)

Nature Communications 掲載論文(フルテキスト)

Additively manufacturable micro-mechanical logic gates

URL: https://www.nature.com/articles/s41467-019-08678-0

<NEDO海外技術情報より>

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