平成30年6月の地殻変動

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2018/07/09 国土地理院

全国の地殻変動概況

別紙1~7は、国土地理院が全国に展開している電子基準点等のGNSS連続観測網(GEONET)の観測結果から求めた2018年5月下旬から2018年6月下旬までの1か月間の地殻変動を表したものです。東日本の広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
房総半島では、6月5日頃から始まったプレート間ゆっくりすべり(スロースリップ)現象に伴う地殻変動が見られます。
火山周辺では、硫黄島において継続的な地殻変動が見られます。

トピックス
  • 房総半島では、6月5日頃から通常とは異なる地殻変動(非定常地殻変動)が検出されました。この変動は、房総半島沖のフィリピン海プレートと陸側のプレートの境界面で発生している「ゆっくりすべり(スロースリップ)現象」によるものと推定されます。(別紙8)
  • 6月18日に発生した大阪府北部の地震(M6.1、最大震度6弱)に伴い、ごくわずかな地殻変動が観測されました。(別紙9)
  • 草津白根山周辺では、2018年4月頃から、「草津」-「長野栄」の基線でわずかな伸びが見られます。(別紙10)
  • 浅間山周辺では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙11)
  • 硫黄島では、「硫黄島1」及び「M硫黄島A」で継続している隆起が2018年5月中旬以降鈍化しています。「硫黄島2」は、南向きの変動が継続しています。(別紙12)
  • 霧島山周辺では、2018年3月の新燃岳の噴火以降に霧島山を挟む基線での伸びが継続していましたが、5月頃から伸びの傾向がやや鈍化しています。(別紙13)
  • 桜島周辺では、鹿児島(錦江)湾を挟む「鹿児島郡山」-「鹿児島福山」、「鹿児島福山」-「隼人」等の基線で伸びが継続していましたが、3月頃から伸びの傾向が鈍化しています。(別紙14)
  • 口永良部島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙15)
補足説明
  • 全国の1年間の地殻変動(2017年6月下旬から2018年6月下旬まで、別紙16)からは、以下のような傾向が見られます。
    • 東北から関東・中部までの広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
    • 硫黄島では、島内の地殻変動が見られます。
    • その他の地方では、プレート運動による定常的な地殻変動が見られます。

別紙一覧
問い合わせ先
国土交通省国土地理院
〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番
地理地殻活動研究センター  地殻変動研究室長  矢来 博司    
測地観測センター      地殻監視課長    真野 宏邦    
測地観測センター      地震調査官     黒石 裕樹

 

1702地球物理及び地球化学
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