地中熱利用システム専用の新型掘削機を開発

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掘削時間と作業人員の大幅削減により、コスト低減に貢献

2018/07/02 新エネルギー・産業技術総合開発機構 鉱研工業株式会社

株式会社日伸テクノ

NEDO事業において、鉱研工業(株)と(株)日伸テクノは、地中熱利用システム専用の新型掘削機「FSGT-150C」を開発しました。

本掘削機は、地中を掘削するロッドの最適な振動制御により掘削時間を短縮できるとともに、自動のロッド交換システムの採用により作業人員の削減が可能です。本機を用いた掘削手法の実証試験を行った結果、掘削時間の30%以上の削減に加え、作業人員を3分の1まで削減できたことにより作業工数を20%以上削減できることを確認しました。

今後、鉱研工業(株)は、本掘削機の改良を進め、2019年度より本掘削機の装置販売を開始する予定です。本掘削機により、作業員の安全性向上と、掘削時間や作業人員の削減を実現し、コスト低減による地中熱利用システムの拡大に貢献します。

地中熱利用システム専用の新型掘削機を開発

1.概要

地中熱利用システムは、地中に埋設した熱交換器を通じて地中の熱を取り出し、ヒートポンプで効率よく熱を輸送して、室内機で冷房・暖房として利用するシステムです。地中熱は、他の再生可能エネルギーと比較して設置場所の制約が少なく、安定供給が見込めるなどのメリットがあることが知られています。しかしながら、地中熱交換器※1の設置コストが高いことやシステム全体の高効率化が必要であることなど、いまだ課題を有しており、これらを解決することが地中熱利用を拡大するために必要不可欠となっています。

今般、NEDO事業※2において、鉱研工業株式会社と株式会社日伸テクノは、経済的で効率的な新型掘削機「FSGT-150C」を開発しました。

本事業では、地中熱交換器設置工事における掘削、孔洗浄、ロッド※3脱着工程に関する技術改良を施し、開発した新型掘削機を用いた掘削実証試験(100m 掘削を4回実施)を行った結果、作業員の安全性向上と、掘削時間の30%以上の削減に加え、作業人員を3分の1まで削減できたことにより作業工数を20%以上削減できることを確認しました。なお、施工孔本数の多い大規模工事においては、さらに大きな削減効果が期待できます。

2.今回の成果

2018年度は、新型掘削機を安定作動させるための改良や各地層における試験データより自動洗浄プログラムの改修に取り組み、対応可能な地層を拡大していきます。また、鉱研工業(株)は、本掘削機の改良を進め、2019年度より本掘削機の装置販売を開始する予定です。本掘削機により、作業員の安全性向上と、掘削時間や作業人員の削減を実現し、コスト低減による地中熱利用システムの拡大に貢献します。さらに、本事業で開発した要素技術は他機種への転用に向けた改良や他用途の掘削機にまで適用範囲を広げ、掘削機全般にわたる付加価値向上のための技術開発を進めていく予定です。

【注釈】
※1 地中熱交換器
地中で熱交換するために必要な採放熱パイプ。一般的に、高密度ポリエチレン管が使用される。Uチューブともいわれる。
※2 NEDO事業
事業名:再生可能エネルギー熱利用技術開発
事業期間は2014~2018年度の5年間で、事業全体予算は8億円(2018年度予算)。詳細は以下参照。再生可能エネルギー熱利用技術開発
※3 ロッド
地中を円筒状に掘削するための鋼鉄の管。
※4 バイブロヘッド
掘削機の主要構成要素の一つで、ロッドを回転させながら、振動させ高速な掘削を可能にする設備。
※5 二重管ロッド
内管・外管の2重構造になっているロッド。単管ロッドに比べて、複雑で掘削が難しい地層でも安定して掘削することができる。
※6 ロッドマガジン
ロッド脱着システムの中のロッドを収納する部分。
4.問い合わせ先
(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 新エネルギー部 担当:藤田、増田
鉱研工業株式会社 製造本部 担当:青山
株式会社日伸テクノ 環境資源部 担当:菊地

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:髙津佐、坂本、藤本

0108交通物流機械及び建設機械
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