複雑なオブジェクトを高速作製するマルチ材料対応 3D プリンティング

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 (Multimaterial 3D printing manufactures complex objects, fast)

2019/11/13 アメリカ合衆国・ハーバード大学

複雑なオブジェクトを高速作製するマルチ材料対応 3D プリンティング

・ ハーバー ド大学エンジニアリングスクール SEAS と同大学のヴィース研究所が、多材料 (multimaterial)、複数ノズル(multinozzle)による 3D プリンティング技術、MM3D を開発。
・ オンデマンドであらゆる形状を作製できる商用 3D プリンターの多くでは、一度に一種類の材料のみで 3D オブジェクトを作製。複数材料を使用できるインクジェットプリンターでは、液滴形成の物理的性質による制限がある。
・ 材料押出タイプの 3D プリンティングでは、単一ノズル・単一材料のプリントヘッドにより、10cm/s で高解像度な約 1L の体積の 3D オブジェクトを作製できるが、このようなオブジェクトを 1 日以内に作製する場合、16 個のノズルのプリントヘッドによる同時プリンティングが必要となる。
・ MM3D は、高速空気圧弁の使用により、最多で 8 種類の材料の迅速、連続的かつシームレスな切り替えが可能。単一ノズルや複数ノズルのプリントヘッドアレイが、従来に比してより高速に複雑な形状を作製する。
・ 3D プリンティングで作製されるこれらのプリントヘッドは、カスタマイズにより他の製造活動にも容易に導入できる。各ノズルは 1 秒毎に最高 50 回の材料の切り替えが可能。プリントヘッド切り替えのタイムロスを排除し、スケール則を立方体から直線に縮減。複数材料による 3D オブジェクトをより高速に作製する。
・ MM3D プリンティングの高速インク切り替えの鍵は、プリントヘッド内の一連の Y 型ジャンクション。複数のインク流路がここで単一の出力ノズルに合流する。ジャンクションの「アーム」の一方で流れるインクが他方でのインクの逆流を回避できるよう、ノズル形状、プリント圧力とインク粘度を精確に計算し調整する。
・ プリントヘッドは高速空気圧弁のバンクを利用して作動。このような一方向へのインクの流れにより、各ノズルから連続して射出される複数材料のフィラメントを高速で組立てて 3D オブジェクトを構築。インク流路の長さを調節して、粘度の異なる材料に合わせた加圧やインクの流速が変更できる。
・ 超高速で 3D オブジェクトを作製できるため、エポキシ、シリコーンやバイオインク等の経時的に特性が変化する反応性材料も使用できる。また、硬い部分と柔らか部分を併せ持つ、折り紙構造やソフトロボット等の作製も可能。
・ MM3D の実証では、硬いパネルをフレキシブルなヒンジで繋げたミウラ折構造をシングルステップで作製。8 本のノズルから硬化後の硬さが大きく異なる 2 種類の樹脂インクを連続的に射出。従来技術でこの構造を作るには、マニュアルで積層する必要があった。ヒンジは折り曲げの 1000 サイクルを耐久。プリント時の硬い材料からフレキシブルな材料への移行のクオリティーの高さを示した。
・ 現時点の MM3D プリントヘッドでは、異なる材料のパーツを順次に連続作製しているが、将来的には異種のインクを異なるタイミングで射出するノズルや、高解像度が可能なより小さなノズル、また、あらゆるサイズや解像度の高速シングルステップ 3D プリンティングを可能にするより大きなアレイの実現を目指す。さらに、より複雑な形状作製のための犠牲インクの利用も研究する。
・ 本研究は、米国海軍研究所(ONR)を通じた Vannevar Bush Faculty Fellowship Program、米国科学財団(Harvard MRSEC)および GETTYLAB が支援した。
URL: https://www.seas.harvard.edu/news/2019/11/multimaterial-3d-printing-manufactures-complex-objects-fast

(関連情報)
Nature 掲載論文(アブストラクトのみ:全文は有料)
Voxelated soft matter via multimaterial multinozzle 3D printing
URL: https://www.nature.com/articles/s41586-019-1736-8

<NEDO海外技術情報より>

Abstract

There is growing interest in voxelated matter that is designed and fabricated voxel by voxel1,2,3,4. Currently, inkjet-based three-dimensional (3D) printing is the only widely adopted method that is capable of creating 3D voxelated materials with high precision1,2,3,4, but the physics of droplet formation requires the use of low-viscosity inks to ensure successful printing5. By contrast, direct ink writing, an extrusion-based 3D printing method, is capable of patterning a much broader range of materials6,7,8,9,10,11,12,13. However, it is difficult to generate multimaterial voxelated matter by extruding monolithic cylindrical filaments in a layer-by-layer manner. Here we report the design and fabrication of voxelated soft matter using multimaterial multinozzle 3D (MM3D) printing, in which the composition, function and structure of the materials are programmed at the voxel scale. Our MM3D printheads exploit the diode-like behaviour that arises when multiple viscoelastic materials converge at a junction to enable seamless, high-frequency switching between up to eight different materials to create voxels with a volume approaching that of the nozzle diameter cubed. As exemplars, we fabricate a Miura origami pattern14 and a millipede-like soft robot that locomotes by co-printing multiple epoxy and silicone elastomer inks of stiffness varying by several orders of magnitude. Our method substantially broadens the palette of voxelated materials that can be designed and manufactured in complex motifs.

0107工場自動化及び産業機械0110情報・精密機器
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