NTU の電子ポンピング開発で量子ドットレーザー実現に一歩前進

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(Quantum dot lasers move a step closer with electric-pumping development at NTU Singapore)

2019/11/28シンガポール・南洋(ナンヤン)理工大学 (NTU)

・ NTU が、電界を利用してコロイド状量子ドット(CQDs)にレーザー光を放出させる技術を開発。
・ 半導体ナノ粒子の CQDs は、光ポンピングにより光エネルギーを得ることで、様々な電子デバイスのディスプレイスクリーンで使用する鮮明な飽和色の光を効率的に放出するが、この手法ではかさ張るサイズとなるため半導体エレクトロニクスでの使用に適さない。
・ CQDs は、簡易な液相合成手法により低コストで容易に製造でき、粒子サイズを調整することで光学・電気特性の変換・制御できる。このようなコロイド状ナノ材料は低コストで、調整可能な光を高効率で放出するため、レーザーメーカーが高い関心を寄せているが、レーザー光の放出には高速・強力でコヒーレントな前述の光ポンピングを要する。一方、電気的なポンピングは遅く、微弱でインコヒーレント。
・ 過去数年にわたり、CQDs のレーザー利用に向けた電気化学的な手法や化学蒸着等の様々なアプローチが試みられてきたが、これらでは強力な化学溶液や無酸素環境を要することもあり、研究室での実験レベルに留まっている。
・ 今回、従来のレーザー駆動に必要なエネルギーの僅かな量で、電界を利用した CQDsによるレーザー光放出の実証に成功。2 本の電極間に CQDs を埋め込んで電界を発生させ、CQDs の特性を制御・変換する。これにより、レージングに必要なエネルギーしきい値を約 10%低減し、CQDs レーザーの実現に一歩前進。
・ 煩雑な電気化学的手法に代わり、電界の利用でしきい値の低減に成功したのは今回が初めて。広範囲の色域光を放出できる、電気的ポンピングによる低コストの小型レーザー開発は、オプティクスやオプトエレクトロニクスの研究における目標となっている。レーザーは、医療、安全保障や電子製品製造をはじめ様々な産業を支える技術であり、特にレーザーテレビ開発に不可欠なもの。
・ 今回の実験の成功は、電気的にポンピングできる単一材料によるフルカラーレーザー開発に資するもの。電子製品や IoT で使用されるチップ集積システムへのレーザー統合の可能性を拓くと考える。
・ レーザー研究分野における次の主要な課題は、ナノスケールのレーザー開発と、それらをオンチップフォトニックデバイスや超高感度センサーに統合すること。これらは、特に第 4 次産業革命をけん引するデータ・情報処理において社会に多大な影響を及ぼすと考える。達成できれば、シンガポールの Industry 4.0 における飛躍的な進展が期待できる。
・ 今後は、オンチップの微細 CQD レーザー開発と、同技術に注目する産業パートナーと共同で実用化を見据えた概念実証デバイスの開発を予定。
・ 本研究には、シンガポール教育省、シンガポール国立研究財団(NRF)およびシンガポール科学技術研究庁(A★STAR)が資金を提供した。
URL: https://media.ntu.edu.sg/NewsReleases/Pages/newsdetail.aspx?news=d8ff9985-d05e-4c85- 84c1-be45ba5f1a65

(関連情報)
Science Advances 掲載論文(フルテキスト)
Electrically control amplified spontaneous emission in colloidal quantum dots
URL: https://advances.sciencemag.org/content/5/10/eaav3140

<NEDO海外技術情報より>

Abstract

Colloidal quantum dots (CQDs) are highly promising materials for light amplification thanks to their efficient photoluminescence, tunable emission wavelength and low-cost synthesis. Unfortunately, CQDs are suffering from band-edge state degeneracy which demands multiple excitons to achieve population inversion. As a result, non-radiative Auger recombination increases the lasing threshold and limits the gain lifetime. Here, benefiting from the negative charging, we demonstrate that the amplified spontaneous emission (ASE) threshold is controllable in a device where CQD film is exposed to an external electric field. Specifically, singly charged CQDs lower the threshold due to the preexisting electron in the conduction band, while strongly enhanced Auger recombination in doubly charged CQDs stymies the ASE. Experimental results and kinetic equation model show that ASE threshold reduces 10% even if our device only charges ~17% of the CQD population. Our results open new possibilities for controlling exciton recombination dynamics and achieving electrically pumped CQD lasers.

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